百日咳の症状

百日咳にかかった場合、初期には軽い風邪のような症状、例えば咳や発熱、頭痛などが見られるようになります。病気が進行して中期に入ると、発作のような重い咳が出るようになります。この咳は、連続的に起こる短い痰を伴わない咳と、息を吸うときの「ヒュー」と言う笛のような音が出るのが特徴です。子どもの場合は、咳の発作が夜の間に起こりやすく、また発作に伴って嘔吐やチアノーゼ、まぶたの腫れ、顔が赤くなるなどの症状も見られるようになるため、周囲の大人は注意深く付き添う必要があります。
大人が百日咳にかかった場合は、咳の症状が出ないケースもあります。その場合も微熱の症状は見られるため、注意が必要です。

百日咳の原因

病気を引き起こす原因は、百日咳菌への感染です。まれにパラ百日咳菌と呼ばれる細菌も感染源として挙げられますが、いずれも同じく長期間の咳を引き起こします。
感染経路としては、保菌者が咳やくしゃみをした際に飛んだ細菌から感染する飛沫感染や、保菌者の粘膜やその他細菌の付着しているものに触れることによって感染する接触感染が挙げられます。
主に子どものうちにかかることが多い病気ですが、しばしば大人の間でも流行します。これは、子どものころに接種したワクチンによる免疫力が減衰したことにより、細菌への抵抗力をなくしたためと推測されています。一回かかっても一生免疫ができる疾患ではありません。

百日咳の治療法

百日咳菌にはワクチンが存在します。そのため、病気を予防するためには、罹患しやすい子どものうちにワクチンの接種を行うことが大切です。また、罹患者の家族や周囲の人は、マクロライド系抗菌薬であるエリスロマイシンやクラリスロマイシンなどの投与を受けることによって、感染を予防することができますが原則予防的な使用は健康保険は使えないので医師とご相談ください。
さらに、百日咳菌は飛沫感染や接触感染により感染するため、マスクの着用や換気、こまめなうがい・手洗いなども予防には効果的です。