僧帽弁狭窄症の症状

僧帽弁狭窄症の代表的な症状は、息切れと呼吸困難です。心臓で充分に血が循環しないため、軽い動作をしただけでもすぐに息苦しくなってしまいます。
  
初期はただの息切れだと考えられがちであまり自覚できないケースが目立ちますが、さらに症状が進行すると、肺のうっ血や心臓喘息といった症状も見られるようになります。うっ血が続いていると胸水が溜まるため、腹水や肝腫大、むくみなども見られます。
 
僧帽弁狭窄症に合併しやすい病気としては、心房細動があります。これは不整脈の一種で、慢性化すると脳梗塞などの原因にもなりかねません。

僧帽弁狭窄症の原因

僧帽弁狭窄症の主な原因は、リウマチ熱の後遺症です。しかしこの後遺症はすぐに発症するわけではなく、2年以上の歳月が経過してから発症することがほとんですので、関連性に気づきにくいという落とし穴もあります。
  
リウマチ熱などによって慢性的な炎症が起こると、やがて僧帽弁や僧帽弁周囲の組織に癒着や肥厚などが見られるようになります。そのため石灰化が起こり、弁口部が次第に狭くなっていくというのが、僧帽弁狭窄症発症のメカニズムです。この変化は徐々に時間をかけて起こっていくため、発症までにはタイムラグがあります。

僧帽弁狭窄症の治療法

僧帽弁狭窄症に限らず、軽い動作でもすぐに息切れをするようになった際には、速やかに病院へかかることが理想的です。呼吸は人間の生命維持の根幹の部分ですので、重大な病気が隠されている可能性があるからです。僧帽弁狭窄症は心エコーによって発見されます。
  
僧帽弁狭窄症の治療は、一般的には薬物によって行われます。心房細動を合併しているケースではまず脈拍を戻すことを優先しますが、こちらも薬物治療が基本です。薬物で改善しない場合には外科手術が行われることもあります。