具合が悪くて医者を受診し、検査したのにどこも悪くないと言われた、そんな経験はありませんか?もしかしたら、実際は健康なのに、病気であると思いこんでしまう、心気症という状態かもしれません。
今回は、この心気症について医師に解説していただきました。

心気症は自分を重病だと思い込んでしまう?

心気症は、実際は健康であったり、あまり問題にならない軽度の体の症状に対して、癌や心臓の疾患など、重病にかかっているという不安や恐怖にとらわれてしまったり、自分は病気だと思いこんでしまったりする障害です。
病院を受診し、様々な検査を受け、心配がないといわれたとしても、不安にとらわれ、何か病気が隠れているに違いない、と考えます。男性にも女性にも同じくらい起こることがあります。

心気症の症状は?

心気症の症状には以下のようなものが見られます。

・おなかがはるといった腹部膨満感
・心臓が普段よりドキドキするような気がするといった心拍の自覚
・軽い痛み、疲れやすいといった疲労感

もちろん大きな病気が隠れていることもあるのですが、問題がないと判断されてもその症状が気になって仕方がなくなり、苦痛を感じます。
医師が見落としているに違いないと考え、ドクターショッピングといい、あちこちの病院にかかって同じような検査をしたり、健康への不安が増すと、時には人間関係や仕事など社会生活に支障がでることもあります。うつ病や不安障害をともなうこともあります。

神経質な人は心気症になりやすい?

場合によっては数十年など、長く続くこともあります。治療としては、医師などと良好な関係を築き、自分自身の症状などについて納得することや、認知行動療法が効果的なこともあります。症状によっては、抗うつ薬や抗不安薬などがつかわれることもあります。

心気症は、神経質で物事に敏感であったり、真面目な人や、プライドが高い人に起こりやすいといわれています。インターネットの普及などにより、正誤に関わらず、様々な情報が手に入りやすくなったことも関係しています。また、ストレスを感じていると、心気症になりやすくなるともいわれています。

【医師からのアドバイス】

内科などを受診してどこも悪いくないと診断されたのに、気になって仕方ないという場合は、一度心療内科や精神科を受診されることをオススメします。