心気症(ヒポコンドリー)の症状

心気症の症状は様々で、動悸、脈拍の異常、めまい、耳鳴り、発汗、疲労感、胃のもたれ、頭痛、首や肩の痛み、腹痛、下痢などの身体症状を感じます。検査をし、器質的な問題はないと医師に診断をされても、「重病にかかっている」「重い病気の兆候だ」という不安を消し去ることができません。
  
また、医師が重大な病気を見落としていると考えがちになります。症状が大きな苦痛となり、健康問題の不安が増大するにつれ、しばしば日常生活や仕事、人間関係に支障をきたします。うつ病や不安障害を併発するケースもあります。心気症は何年も続きますが、患者によっては症状が出たり消えたりすることもあります。

心気症(ヒポコンドリー)の原因

心気症の原因は、動悸、めまい、発汗など正常な身体感覚や軽い身体症状を、重い病気と誤って解釈することに起因することが多いです。検査を受けて、異常はないという診断を受けても、身体症状が半年以上続き、うつ病などの他の精神疾患が見られない場合は、心気症と診断されます。
  
また症状の訴えの対象となっている部位の名前をつけて胃神経症・心臓神経症と呼ぶこともあります。症状の訴えが発汗・めまいなどの自律神経症状の場合は自律神経失調症ということもあります。
  
なお、主症状が発作性の動悸である場合は、また発作が起こるのではないかという予期不安を生じ、不安神経症(全般性不安障害)と区別しにくくなります。

心気症(ヒポコンドリー)の治療法

心気症は具体的な予防法はなく、治療がメインとなります。ただし、患者本人が「自分は重病にかかっている」と信じこんでいるため、心気症の治療は困難です。
  
親身で理解がある医師と信頼関係を築き、定期的に受診すると改善することがあります。あまり症状が良くならない場合は、精神科医を紹介してもらい、検査や治療を受けることを検討することが求められます。抗うつ剤による治療や精神医療分野での認知行動療法が効果的なことがあります。