子どもに突然蕁麻疹(じんましん)が出たら、心配しますよね。今回は、幼児の蕁麻疹の原因や危険性について、医師に聞いてみました。

まず「蕁麻疹(じんましん)」とは、皮膚に突然出現する、境目が明確な円形や楕円形の、わずかに膨隆したものをいいます。発赤(赤み)と激しい痒みをともなうことがあります。盛り上がった皮疹(膨疹)は、皮膚の真皮の上の部分が浮腫むことで起こります。全身どこにでも発生する可能性はありますが、摩擦や圧迫されやすい部位に生じる傾向があります。

幼児の蕁麻疹、その種類は?

蕁麻疹には、さまざまな種類(分類方法)があります。
明確な症状が出現し、疑われる原因物質を除去することにより、症状が消失するケースがほとんどですが、まれに原因不明で6週間以上持続する慢性蕁麻疹もあります。
まずは、非アレルギー性アレルギー性かに分類して、それぞれの特徴を見てみましょう。

1.非アレルギー性蕁麻疹

一時的な圧迫や摩擦、寒冷などにより出現するものです。

【接触蕁麻疹】
皮膚や粘膜から、接触した物質が浸透して起こります。これは、アレルギー性接触蕁麻疹と非アレルギー性接触蕁麻疹の双方が考えられます。

【物理性蕁麻疹】

物理的な刺激が加わることで生じる皮疹です。30分から1時間という短時間で消失するものを指します。代表的なものに人工蕁麻疹、日光蕁麻疹、寒冷蕁麻疹などがあります。

【コリン性蕁麻疹】
入浴や運動などで体温が上昇し、発汗を伴う際に出現します。

2.アレルギー性蕁麻疹

食品添加物や植物、特定の食事や薬剤などが原因で起こる蕁麻疹です。
薬剤が原因で起こる蕁麻疹は重症化するケースがあります。また、蕁麻疹が咽頭付近にできると呼吸困難の原因となるので、顔色や呼吸状態に注意しましょう。アレルギーを誘発しやすい食品(小麦、ソバ、乳製品、卵、落花生など)を初めて食べる時は、様子をみながら接種させ、徐々に量を増やすことが大切です。

蕁麻疹と間違いやすい病気について

蕁麻疹に似ている、重篤な疾患を2つご紹介します。

【多形浸出性紅斑】

単純ヘルペスウイルスが原因の可能性があるものです。手足に赤い発疹と腫れが消失するもので、多くは3~5週間程度で自然に消失するものですが、まれに重傷化することがあり、長期間の高熱や全身の発疹、リンパの腫れ、全身の粘膜の炎症などが起こる場合があります。

【血管性浮腫】

唇や瞼などが突然腫れあがり、2~3日で消失するものです。傷みはともなわず、蕁麻疹の症状と分からないこともあります。まれに消化管に浮腫が起こることもあり、嘔吐や下痢、腹痛などの症状が出るほか、咽頭や気管支に浮腫ができて声枯れや呼吸困難をきたす可能性があります。

医師からのアドバイス

幼児に蕁麻疹ができた時には、以下の5点に注意しましょう。
・安静にする
・掻痒部を冷たいもので冷やし、かきむしりを防止する
・蕁麻疹部を刺激から守る
・掻痒部をかかない(爪を切り、清潔にする)
・入浴ではなく、こすらずシャワーで清潔をこころがける


体調不良時の疲労やストレスが、蕁麻疹を悪化させるというデータもあります。日頃の体調管理も、幼児を蕁麻疹から守る予防策といっていいでしょう。

(監修:Doctors Me 医師)