蕁麻疹じんましん

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皮膚の病気
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医師監修

蕁麻疹とは

蕁麻疹(じんましん)とは突然赤いブツブツやむくみを伴い、強いかゆみを感じる皮膚の病気です。最初はミミズ腫れのようなふくらみ(膨疹)が起こり、痒みや灼熱感を伴います。数分から数時間後で消えますが、その後何度も反復して発疹が生じるのが特徴です。ときに強いかゆみを感じ、掻きむしってしまうことで肌を傷つけてしまうこともあります。

目に見える皮膚だけでなく気道や腸などにも浮腫が現れることがあり、気道にできた場合は呼吸困難が起こって命を落とすおそれもあります。

じんましんはアレルギーによって引き起こされるものと、非アレルギー性のものがあることがわかっています。食べることで起こるものを食物性じんましん、抗生剤などの薬剤によって起こるものを薬剤性じんましんと呼びます。

蕁麻疹の症状

腕をかく女性

じんましんとは突然赤いブツブツやむくみを伴い、強い痒みを感じる皮膚の病気です。
蚊に刺されたような赤いふくらみ(膨疹と言います)ができて、かゆみや痛みなどを伴うことがあります。チクチクしたり焼けるような熱さを感じることも。

たいていは数分から数時間で消えてしまいますが、消えた後も何度も繰り返し出現することもあります。

皮膚の湿疹とよく混同されますが、湿疹は最初に出現する赤いブツブツが水泡になり、やがて破れ皮膚の表面がジュクジュクした状態になるのに対し、じんましんは水泡にならずにそのまま消えてしまう、という違いがあります。

目に見える皮膚だけでなく気道や腸などにも膨疹が現れることがあります。気道にじんましんができた場合、呼吸困難に陥ることで命の危険もあります。

じんましんの中でも何度も現れたり消えたりを繰り返しながら一ヶ月以上続くものを慢性じんましんといいます。夕方から夜かけて症状が出て、明け方には消えることが多いです。

●顔のむくみを伴う蕁麻疹
顔のむくみを伴う場合は、血管性浮腫(ふしゅ)を併発している可能性が高いです。血管性浮腫は血管透過性が高くなり、皮膚や粘膜が腫れる疾患で、目、口、喉などの顔面が腫れる場合が多いです。血管性浮腫が伴う場合、蕁麻疹単独の発症とは違い、喉から発症すると窒息する危険性があります。治療は症状に応じて適切に行うことが必要なので、軽度でなければ病院で検査を受けることが望ましいです。血管性浮腫は蕁麻疹を伴わない場合もあります。

●蕁麻疹は感染しないもの
同じ感染症にかかっても、蕁麻疹がでるとは限らず、蕁麻疹の皮膚症状はうつることはありません。蕁麻疹は風邪などの感染症やストレスなどによって引き起こされることが多く、抗ヒスタミン剤やステロイドの服用で治まることがほとんどです。

●蕁麻疹が出ているママが母乳を与えて大丈夫?
授乳中の女性
薬を内服していなければ、母乳に影響はでないようです。親が何らかのアレルギー体質の場合、体質が似て赤ちゃんに蕁麻疹が出やすくなるということはあるかもしれませんが、授乳での影響はないようです。ただし、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬などの薬が出た場合や、点滴をするほど全身症状があらわれている場合は、医師の診断を仰いでから授乳した方がより安心です。産後はホルモンバランスの乱れなどから蕁麻疹症状が出るママも多いようです。蕁麻疹に限らず体調が悪いと授乳に影響がでることもありますので、不調を感じたら受診しましょう。

蕁麻疹の原因

皮膚の血管から水分が漏れてむくみやかゆみを伴うふくらみができる蕁麻疹は、急性のものと慢性のものがあり、食べ物・薬・細菌などが原因となったり、圧迫・摩擦・温度・日光などの物理的刺激やストレスなどが原因となることもあります。
蕁麻疹(じんましん)の原因には大きくアレルギー性非アレルギー性の2種類があります。

●アレルギー性の原因
食べ物や植物、薬などが体に合わないことが原因となる蕁麻疹です。これはその物質を体が異物とみなすことが原因で、それによってヒスタミンという物質が大量に分泌、すると血管が拡張して血液中の水分が血管の外にしみ出してしまいます。そこにはかゆみに関係する神経などもあるため、かゆみを伴うことが多いです。
アレルギーについて詳しく見る

●非アレルギー性の原因
汗をかく男性
体へ侵入する異物に対する攻撃ではなく、服の擦れなどの摩擦、バックの持ち手などによる圧迫、暑さ、寒さなどの寒暖の変化などの物理的刺激、もしくは入浴や運動などの発汗が原因とされています。

●痒くならない顔の蕁麻疹
蕁麻疹は、必ずしも痒みを伴うわけではありません。痒みのない蕁麻疹の原因に、日光による蕁麻疹があります。夏の強い紫外線に肌をさらすことにより、湿疹が生じるものです。反対に冬場になると、温熱蕁麻疹や寒冷蕁麻疹が発生する場合があります。温熱蕁麻疹はストーブや暖房が直接当たり、顔の一部が温められた時に発症し、寒冷蕁麻疹は冷たい外気に肌が反応して湿疹が生じます。いずれも痒みや痛みを伴わないケースがあります。そのほかに、蕁麻疹が発症する原因としてストレス性やアレルギー性などがありますが、軽度のものでは痒みを感じないことが多くあります。しばらく放置しても治らない場合は、皮膚科に相談してみましょう。

●肝臓のトラブルが原因の蕁麻疹
蕁麻疹は「アレルギー性」と「非アレルギー性」に大きく分けられますが、原因が特定されにくい皮膚疾患です。痒みに対する対処療法で薬物治療を行いますが、薬が効きにくいときや症状が長引く場合は、肝機能の低下が原因と考えられます。肝機能が低下すると、蕁麻疹の原因となる物質の代謝がされにくくなったり、体調不良が続くことで蕁麻疹を発症してしまう可能性があります。
また、蕁麻疹はマスト細胞から分泌されるヒスタミンという物質が反応して症状を引き起こしていますが、B型・C型肝炎ウイルスによる感染症のときはマスト細胞が活性化することで蕁麻疹があらわれます。

●アルコールが原因の蕁麻疹
アルコール飲料
アルコールと蕁麻疹の直接的な関係ははっきりしていませんが、お酒を飲みすぎることで蕁麻疹が悪化する場合があります。お酒の弱い人の場合は、アルコールそのものがアレルゲンとなって蕁麻疹を引き起こします。さらに、アルコール自体がアレルゲンとならない場合でも、そもそもアレルギー物質が体内に入り、血管が拡張することで、蕁麻疹は起こります。アルコールは肝臓で代謝されることでアセトアルデヒドという物質に変わります。このアセトアルデヒドは血管を拡張させる働きを持つため、蕁麻疹の悪化につながるのです。また、お酒の飲みすぎで肝機能が低下している場合、アルコールが十分に分解されることなく血液をまわることで蕁麻疹が発症する場合もあります。

●毛虫に刺されて蕁麻疹になることがあるの?
毛虫皮膚炎と呼ばれる湿疹を知っていますか。夏に多く見られ、赤い発疹が主に腕にあらわれ、強い痒みを感じます。原因は毛虫です。チョウやガの幼虫に触れた場合に発症します。そのような覚えがないという方は、毛虫の毒針毛の付着が原因となっている事が多いようです。毛虫は春と秋に発生するのが一般的で、その時期に森林や公園に出かけた際、風に飛ばされた毒針毛に気づかずに触れてしまったというパターンです。よく思い起こしてみると、痒みが現れる前にチクチクとするような違和感があったのかもしれません。夏に多く見られるのは腕を露出している事が多いためです。衣服に毒針毛が付着し、それが体についてしまうこともあります。その場合、露出していない部分にも発症しますし、秋にも見られます。「チクチク」を感じたらすぐ水道水で洗い流すといいでしょう。痒みが現れたら速やかに専門医で受診しましょう。

●妊娠中の蕁麻疹
妊婦
妊娠中に蕁麻疹ができてかゆみに悩まされる方は多いようです。蕁麻疹ができる箇所、できる時期は人それぞれです。妊娠による体内のホルモン環境の変化が原因であるとされていますが、最近では、子どもを異物ととらえたために起きるアレルギー反応によるものではないかとの考え方もあります。どちらにしても、妊娠中は体が普段の状態とは異なって蕁麻疹ができやすい状態であるといえます。妊娠中に蕁麻疹ができたら、早めに皮膚科を受診することです。妊娠中だと伝え、胎児に影響のない薬を処方してもらいましょう。妊娠中に薬を使用することに抵抗を感じるかもしれませんが、妊娠中でも安全に使える薬はあります。産婦人科には置いてある皮膚に対する薬は少ないので、皮膚科を受診しましょう。その他にできる対策としては、患部をあたため過ぎないこと、清潔にすること、こすらないことです。蕁麻疹は温めると痒さが増します。また、何か刺激となるようなものがあると悪化するので、着る服の素材にも気をつけましょう。

●産後に蕁麻疹ができやすくなるのはなぜ?
大仕事の出産終えた疲れと、その後の育児疲れ、ストレス、睡眠不足などで、産後は蕁麻疹が出やすい状態になっています。蕁麻疹は、「マスト細胞」と呼ばれる細胞が関係しており、マスト細胞が刺激を受けると、かゆみを引き起こす「ヒスタミン」という物質が放出されて蕁麻疹が出ます。
食物やストレスなどさまざまなものが原因となりますが、蕁麻疹の多くは食物とは関係なく、産後の蕁麻疹も同様です。予防としては、ストレスを溜めないようにし、睡眠を十分に取り、蕁麻疹が出たら患部を冷やしましょう。入浴などで温めるのは逆効果です。また、授乳中である事を伝え、医師と相談した上で、抗ヒスタミン薬などを処方してもらいましょう。

●ピロリ菌を除菌する薬によって起こる蕁麻疹薬
ピロリ菌の除菌をするには、胃酸を抑える薬・PPI、抗菌薬2種類が処方されるでしょう。抗菌薬にはペニシリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質が用いられるのが一般的です。2種類服用することで除菌効果を高め、またPPIを併用することで酸性に弱い抗菌薬の効果を最大にします。しかし、一部の方がペニシリン系抗生物質によって蕁麻疹、発熱、かゆみなどのアレルギー反応を起こします。これらの症状が出た場合にはすぐに使用を止め医師に相談するべきですが、医師の判断で除菌を優先にして抗アレルギー薬を用いながら服用を続ける場合もあります。アレルギーを起こした後、またペニシリン系抗生物質を服用した場合、ショック症状を起こすこともありますので、今後病院では薬のアレルギーがあることを伝えましょう。

●その他の原因
ストレスを抱えた女性
蕁麻疹(じんましん)はストレスでも発症します。原因がわからない場合もあります。
蕁麻疹(じんましん)は異物に対する過剰な攻撃の結果、膨疹として現れるものです。アレルギー体質やストレス体質の人は蕁麻疹(じんましん)の症状が出やすいと言われています。

蕁麻疹の予防/治療法


予防


●原因から離れる
蕁麻疹(じんましん)の原因がわかっている場合は、原因を避けるようにしましょう。
原因がわからない場合は、じんましんが起こる前に食べたもの、触れたものなど原因がないか思い返して原因を突き止めることも予防になります。血液検査で蕁麻疹(じんましん)の原因を特定する方法もあります。

●規則正しい生活を送る
ストレスや疲労はじんましんの原因になります。
規則正しい生活や栄養バランスの整った食事を日々心がけましょう。


≪治療法≫
医師
蕁麻疹の治療法としては主に原因となる物質や環境をできるだけ避ける、という方法と、アレルギー反応を抑えるための飲み薬(抗ヒスタミン薬)を飲むことによって全身の蕁麻疹をできにくくする、という方法の二通りがあり、併用して行われることも多くなっています。

まず、一つ目の原因となる物質や環境を避ける、ということに関しては、蕁麻疹の誘因となるものは患者さんによって様々ですので、何によって蕁麻疹ができているかを特定し、可能な限りその行為や状況を避けるということを行います。代表的な例では、急な温度変化や、アルコール、お薬を含めた化学物質などが挙げられます。また、精神的なストレスも大きな悪化要因となることがあるので、ストレスを解消する方法を考えることも改善の近道となる場合があります。

それから、二つ目の抗ヒスタミン剤による治療は、多くの蕁麻疹の発生にかかわるヒスタミンという物質が結合するヒスタミン受容体の働きを抑えることで、アレルギーや蕁麻疹の発生を抑えようとするものです。特に歴史の長いタイプの抗ヒスタミン剤では眠気が出ることがありますが、比較的安全性の高いお薬であり、よほど激しい症状を起こさない限りステロイドなどが使われることはあまりないようです。

●蕁麻疹の診療は何科へ行くべき?
蕁麻疹が出たら、何科に行くか迷いますが、基本的に蕁麻疹は皮膚疾患のため、皮膚科に行くのがおすすめです。内科でもアレルギー科でも見てもらえますし、原因を血液検査などで調べることが可能です。非アレルギー性の慢性蕁麻疹である場合、病歴などから疑われる疾患を調べていきますが、原因が見当たらない方も多くいます。その場合はストレスなどの精神的な問題である場合もあります。精神的なものだと予想できるのであれば、心療内科を受診することも考慮してもいいでしょう。また、蕁麻疹の中には呼吸器や内臓などの内的な症状を起こす可能性もあり、皮膚科での診察の際「内科に見てもらった方がいい」といわれる場合もあります。蕁麻疹で病院に行った場合、血液検査やアレルギーの検査で蕁麻疹の原因を特定したり、症状を抑える抗ヒスタミン剤、ステロイドの処方が主な治療となります。

■病院に行く前に知っておくべきこと
蕁麻疹が出る原因がわかっている場合にはそれを避けることが望ましいです。例えば特定の食べ物や飲み物を飲んだ時、動物に触れた時に蕁麻疹が起きる場合には、それを避けるようにします。原因がはっきりしない場合には血液検査が参考になります。そのほかにも、入浴や就寝時に痒くなる場合は温かさが痒みを引き起こし、逆に急に寒いところに出ることで蕁麻疹が出るなど、特定の行動時に蕁麻疹が起る場合もあります。ベルトやアクセサリーなどが触れていた場所が痒くなる、女性の場合は生理前に痒くなるなど、蕁麻疹は起るパターンがある程度わかるときは、それを目安に対策を考えられます。「いつ」「どういう場所で」「蕁麻疹がどこまでが広がるか」は診断の大きなポイントになりますので、病院に行く前にメモしておき、医師に伝えましょう。

■病院に行くまでにやっておくべきこと
蕁麻疹が出たら、できるだけ早いうちに病院に行きましょう。それが不可能な場合は、病院に行くまでに「いつ」「どういった環境で」蕁麻疹が出るのかを、細かくメモしておきます。蕁麻疹は症状が時間や環境によって大きく左右されるため、「いつ」「どこで」の見極めが大切です。また蕁麻疹が起きた際にスマホで写真を取っておくといいでしょう。どのような蕁麻疹かなどは、特に夜中は寝ぼけていて正確な判断が付かない場合がありますので、より正確な診断のために、可能ならば患部を撮影しておきましょう。また、昼間の蕁麻疹でも、可能な場合は撮影しておき、医師の問診の際に見せるようにしましょう。背中など広いところを撮影するときは、1円玉など大きさのわかるものも一緒に入れて撮影すると、患部の広さが後から確認できます。

■蕁麻疹の原因を検査で調べる
採血検査
蕁蕁麻疹が出るたびに市販の塗り薬で間に合わせている方、皮膚科やアレルギー科で一度検査で原因をはっきりと特定させてみましょう。検査には数種類ありますが、その中でも受けやすい検査は採血検査です。血液の中から、アレルギーの起りやすい物質を特定します。ハウスダスト、ある動物など、考え付かなかったようなものが原因の場合があるため、見落としのない検査ができます。「自分は○○でアレルギーが出るのだから、それを食べる(もしくは触れる)のはやめておこう」と日常生活の中で避けることができ、蕁麻疹によるストレスがかからない生活を送ることができます。

●寒冷蕁麻疹の場合は温める
蕁麻疹になった場合は、血行が良くなると悪化しますので、一般的には入浴や運動などは避け、患部を冷やして安静にするのがいいといわれています。ただし、寒い風にあたったり冷たいものを食べたりして、皮膚の温度が急激に下がるとあらわれる寒冷蕁麻疹は、冷やしてはいけません。寒冷蕁麻疹は、血管近くにある肥満細胞が急激な温度変化によってヒスタミンという物質を出すことにより発症します。この場合は冷やさずに温め、医療機関で抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を処方してもらいましょう。
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