みなさん、足の臭いは水虫のせいだと思ってませんか?
しかし、水虫に感染していなくても足が臭うこともあり、日常の様々な要因が重なり臭いを発生しているケースもあります。

今回は足の臭いの原因や効果的な対策を、医師の方に解説していただきました。

足の臭いに水虫は関係なかった!?

靴の臭いを嗅ぐ女性
白癬菌の感染がなくても足が臭いことはあります。水虫が直接的な臭いの原因かどうかは不明ですが、少なくとも爪水虫には臭いはないと思われます。

しかし、水虫が好むような高温多湿の環境では、汗をかきやすく、臭いの原因となる雑菌が繁殖しやすいです。

また、皮脂や角質の酸化が起こりにおいがひどくなるので、足が臭い人は水虫予備軍かもしれませんし、水虫の人も足が臭い可能性があります。

なぜ水虫になるの?

足をかく女性
水虫は、白癬菌というカビの一種が皮膚や爪に棲みつくことで発生する感染症です。初期症状はかゆみですが、長期化すると水ぶくれができることもあります。

白癬菌は高温・多湿で活発に活動するため、蒸れた足は菌にとって最高の環境となり、足の皮膚や爪にある「ケラチン」というタンパク質を食べながらどんどん繁殖していきます。

水虫の症状

■ 指の間がじゅくじゅくするタイプ
■ 土踏まずに小さいぽつぽつができてかゆくなるタイプ
■ かかとがザラザラになり皮がむけるがかゆみはないタイプ
■ 親指などの爪に感染して爪が白く厚くごつごつとした感じになるタイプ(いわゆる爪水虫)

水虫の感染経路

バスマット
■ 床、カーペット
■ 風呂場、足ふきマット
■ スリッパ
■ スポーツジム
■水虫患者のパラパラと剥がれた皮膚
■ 水虫患者の患部に接触
■プールや温泉

白癬菌は湿った温かい場所を好み、人の垢をエサにして生き延びています。

水虫が足に巣くってしまう24時間以内にしっかり追い出し、皮膚の奥の角質層まで侵入させない、棲みつかせないことが重要です。

足が臭くなる原因

靴下を持つ女性
足にかく汗は、「エクリン腺」と呼ばれる腺から分泌されます。この汗自体は、無臭です。

しかし汗によって蒸れた靴下や靴を長時間放置することで、雑菌がどんどん繁殖し、臭いを発するようになります。

足の臭い対策


■ 足の指の間までよく洗い、しっかり流す
足を洗う
石鹸で足の指1本1本の間まで丁寧に洗いましょう。すすぎも石鹸が残らないようにしっかり流してくださいね。
保湿効果のあるボディーソープではなく、水切れが良く、殺菌作用もある固形石鹸を使用することをおすすめします。

軽石やブラシでごしごしこすると、細かい傷をつけてしまい、白癬菌や雑菌に感染しやすくなる可能性があります。こすらず、指の間まで洗ってよくすすぎ、洗った後はしっかり乾燥させることが重要と思われます。

■ 重曹水で足湯をする
足をお湯につける女性
重曹を溶かした液は弱アルカリ性で、タンパク質を溶かす性質があり、余計な角質や皮脂を除去できると思われます。

酸性物質であるにおいの元を中和する作用も期待できます。厳密に決まったやり方はありませんが、洗面器に大さじ2杯程度の重曹を溶かし、冷めるまで足を漬けておけばよいかと思われます。

■ 古い角質をやさしくオフする
足の角質落とし
古い角質は、臭いの原因となる雑菌の大好物。
角質が溜まらないように、隔週に1回ほど、湯船につかりやわらかくなった足裏の角質を、軽石などでやさしくオフしましょう。

くれぐれも、強くこすって傷つけないように。傷があると水虫菌は侵入しやすくなります。

■ 足ふきマットの代わりにタオルを使う・毎日洗う
足の古い皮膚が残りやすく、湿った足ふきマットを敷きっぱなしにしておくとは、水虫に感染する可能性大!足ふきマットの代わりにタオルを使い、使用後は毎回洗いましょう。

■ お風呂あがりは、しっかり水気を取る
お風呂から上がったら、足の指の間までしっかりを水気を取り、乾燥させましょう。ドライヤーの冷風を使うといいかもしれませんね。

■ 休憩時間に足をシートで拭く
足の乾燥
垢や角質を落とすことで、白癬菌や雑菌の繁殖を抑えることができます。
なかなか靴下を脱げる機会はないとは思いますが、休憩時間にトイレなどで汗を拭き取り、乾燥させると良いでしょう。


爪を切る
■ こまめに爪を切る
爪の間に垢や雑菌が貯まりやすいため、放っておくと雑菌が増え臭いを発します。
こまめに爪を切り、清潔に保ち、爪は切りすぎない程度(先の白い部分が少し残る程度)に切っておきましょう。

■ 爪切りは個人用を使う
爪切りを共用すると水虫に感染する可能性があります。出来る限り個別に爪切りを持つようにしましょう。

靴・靴下・スリッパの臭い対策


■ 素足で靴を履かない
素足で靴を履くと、足が蒸れやすく、雑菌が繁殖してしまいます。なるべく靴下を履くようにしましょう。

ストッキングも化学繊維のものが多いので避けたいところですが、パンプスを履くときなどは仕方のないこと。履き替えるなどしてなるべくムレを防ぐようにしましょう。

■ 中敷きを敷く
インソール
中敷きなら簡単に洗えますし、清潔に保つことで靴自体の雑菌繁殖を防ぐことができます。消臭タイプの中敷きもあるようですよ。
活性炭の含まれている中敷きも販売されており、臭い分子を吸着することが期待できます。

■ 靴は通気性の高いものを履く
通気性のいい靴
足を高温多湿にしないことが汗を減らし、雑菌を減らします。
革靴やしっかり覆われたブーツなどは、湿気がこもりやすく雑菌が繁殖しやすい環境。臭いが気になる方や、水虫が心配な方は、毎日そのような靴を履くのを避け、たまに通気性のよい靴を履くように心がけましょう。

■ 定期的に靴を脱ぐ
ムレた状態で靴を履きつづけると、雑菌が繁殖してしまいます。できればオフィス内ではサンダルのような蒸れにくいものに履きかえましょう。

■ 一日履いた靴は、休ませて乾かす
毎日同じ靴を履いていると、湿気がこもって水虫の大好きな環境になってしまいます。

1日履いたら、1~2日は休ませて乾かしましょう。その際、下駄箱にはしまわずに、玄関などの通気性のよいところに置いて乾燥させるようにしましょう。

■ 靴に10円玉を入れておく
10円玉
10円玉の銅イオンには殺菌効果があり、臭いの元となる雑菌を減らすことができます。
靴の中に10円玉を入れておくと、消臭効果が期待できるでしょう。


靴下


■ 靴下は5本指のものを履く
五本指ソックス
指と指の間がくっついていると、湿気がこもり雑菌が繁殖しやすくなります。
5本指ソックスで1本1本の指を離し、湿気を逃がすことで臭いを防ぎ、水虫予防にもなるでしょう。

■ 靴下は、撥水性の高い綿・麻・絹などの素材を選ぶ
ムレを防ぐために、素材選びも重要です。なるべく綿や麻・絹などの素材を選び、化学繊維の靴下は避けましょう。

■ 替えの靴下を用意しておく
汗をかいた足、湿った靴下のまま過ごすと、雑菌が繁殖してしまいます。そんなときは、替えの靴下を用意しておき、履き替えると良いでしょう。

■ 制汗スプレー・消臭パウダーをつかう
制汗スプレー
靴下を履く前に制汗スプレーをシューッとひと吹き、もしくは消臭パウダーを ササッとひと振り。それだけで、雑菌繁殖を防ぐ助けになるでしょう。

スリッパ


スリッパ
■ 通気性の良いスリッパを使用する
スリッパは湿気がこもりやすいため、つま先が空いているものや、通気性の良い素材のものを使用しましょう。

■ スリッパは定期的に洗い、天日干しする
スリッパも履き続けると雑菌が繁殖してしまいます。洗えるものはこまめに洗い、天日干ししましょう。洗えないものは、消臭スプレーをして干すとよいでしょう。

■ スリッパは共有せず、個人用を使う
スリッパを水虫のひとと共用で使うと感染する可能性大です。スリッパは共用せず個別に用意しましょう。

最後に医師から一言

足のにおいは自分では分かりにくいこともあり、また数値化できるものでもないため、自分の足がにおうのではないかと気にされる方もおられると思います。
ご自身に合った対策をしてみてください。

(監修:Doctors Me 医師)