水虫の症状

水虫の主な症状は、かゆみや水ぶくれ、皮がむけるなどです。梅雨から夏にかけて、悪化する傾向にあります。

水虫は、皮膚の症状により「小水疱型」「趾間型」「角質増殖型(角化型)」に分類されます。足の水虫を放置してしまうと最終的に爪まで進行し、「爪水虫(爪白癬)」になります。
4種類の水虫

小水疱型


透明でやや粘り気のある液体を含む小さな水ぶくれが、ぽつぽつと見られます。土踏まずや足の側面など、比較的皮膚の厚い場所に発症し、強いかゆみを伴います。

水ぶくれが増えてくると、水ぶくれ同士がくっついたり、破れたりして皮膚がめくれてきます。小水疱型は、水ぶくれが目に見えるため、早期に気付きやすいです。

趾間型


指と指の間に、強いかゆみを伴ったり、皮膚がジュクジュクしたり、白くふやけたり、皮がむけたり、赤くむけてただれたり、腫れたりします。

趾間型も目に見えるため気づきやすく、早期に治療を行うことが可能です。

角質増殖型(角化型)


かかとや足の裏全体が硬くなり、皮膚が細かくむけていきます。かゆみがあまりないことが特徴です。

一見すると水虫と気付かないことが多いです。皮がむけ落ちやすく、裸足でいると床やスリッパなどを介して、人に感染する可能性が高いため注意が必要です。

爪水虫(爪白癬)


足の水虫を放置し続けると、爪にまで白癬菌が進行してしまいます。爪に入りこんだ白癬菌は、完治するまでに時間がかかるというやっかいな特徴を持っています。

爪水虫になると、以下のような症状が見られます。
・爪の先端部が黄色く濁る
・爪の表面が白くなる
・変色した部分がぼろぼろと欠け落ちる
・爪の付け根部分が厚くなる など

水虫の原因

白癬菌への感染


水虫の原因は「白癬菌」です。白癬菌とは、人間を含む動物の毛や爪、角質や鱗などに含まれるケラチンというタンパク質を好んで栄養素とするカビです。

「白癬菌」と名前のつく菌は、約40種類あります。その中で人に感染し、水虫を起こすのは、「ヒト好性菌」と呼ばれるものです。

足に水虫が集中する原因


水虫は足の病気と言われますが、足以外の皮膚にも白癬菌は感染します。しかし、白癬菌感染の9割以上が「足」に集中しています。

足は、普段から靴や靴下、ストッキングなどに長時間覆われていて、高温多湿になっています。高温多湿の環境は、白癬菌にとって過ごしやすい環境です。そのため、他の部位より足に感染しやすいと考えられています。

水虫の治療

水虫の完治を目指すためには、タイプに合った適切な治療を行うことが大切です。

市販薬(OTC医薬品)で対応する


症状が軽い場合は、市販薬で完治を目指すことも可能です。クリームや液体、スプレーなどさまざまなタイプのものがあります。含まれている成分も商品によって異なります。購入の際は、薬剤師に相談すると自身の症状に合う適切な薬を選ぶことができます。

クリーム状:足の指の間がジュクジュクした状態、足裏の角化した水虫
液状:足の指の間のカサカサと乾燥した状態、炎症はひどくないが皮が剥けている水虫
スプレー状:足の指の間のカサカサした水虫や、広範囲にできた水虫

【塗り薬を使うときのポイント】
1:足を洗って清潔にする
不潔な状態だとカビが生えやすくなります。

2:十分に乾燥させる
湿潤な状態だと蒸れてしまい、カビが繁殖しやすくなってしまいます。

3:患部と水虫が発症しやすい部位に薬を塗る
水虫になっている患部だけではなく、他に発症しやすい箇所にも薬を塗るようにしましょう。水虫には悪化すると中央から外に広がる傾向があります。広がる部分を考慮して薬を塗りましょう。

水虫が発症しやすい部分としては、指の間、足の指の付け根、足裏、アキレス腱などです。

※使用回数を厳守する
使用回数を守らず、多く薬を塗ってしまうと、かぶれてしまうことがあります。使用回数は守りましょう。

※最低でも1カ月は継続して薬を塗る
白癬菌は、皮膚の角質層に住みついて増殖します。症状や見た目が改善されても、1カ月以上は薬を塗り続けましょう。

皮膚科に受診する


長年水虫に悩まされている、市販薬を試したが効果がなかった、角質増殖型(角化型)や爪水虫の可能性があるという人は早めに皮膚科を受診しましょう。症状に合わせて、薬物療法を行います。

また、完治する前に治療をやめてしまうと、再発を繰り返すことも多いです。治りかけには、かゆみや皮むけなどの症状が感じられなくなることもあります。しかし、油断して自己判断で治療をやめることはしないでください。

角質増殖型や爪水虫の場合は、塗り薬に加えて、以下に挙げる飲み薬を併用する場合があります。

・パルス療法
パルス療法では、「イトラコナゾール」という抗真菌作用のある錠剤を服用します。1日8カプセルの服用を1週間続けた後、3週間休薬をするというローテーションを3回繰り返します。

イトラコナゾールと併用してはいけない薬は、多くあります。また、肝機能障害を発症する可能性があるため定期的な血液検査が必要です。

・テルビナフィン塩酸塩の内服
「テルビナフィン塩酸塩」という抗真菌作用のある錠剤を、毎日1錠、6カ月以上服用を続けます。パルス療法と同様、定期的な血液検査が必要です。医師の指示に従い服用するようにしましょう。

水虫の予防

物の共有をやめる


水虫の原因菌である白癬菌は、人にうつります。同居者の中に水虫の人がいる場合は、タオル、スリッパ、バスマットなどの共有は避けましょう。

頻繁に洗濯する


水虫の人が使い終わったタオルやバスマットには、白癬菌がそのまま残ってしまっている場合があります。タオル、バスマットなどの洗濯は、こまめに行いましょう。

蒸れないようにする


水虫の予防で大切なのは、常に足を清潔にし、蒸れない工夫をすることです。
蒸れない工夫としては以下の通りです。

・通気性のよい靴や靴下を履く
・同じ靴は履き続けない
・ブーツや長靴は履き続けない

体を清潔に保つ


白癬菌の感染には、24時間ほどかかるとされています。万が一白癬菌が付着しても、毎日シャワーで菌を洗い流し、皮膚を清潔に保てば、水虫にかかるリスクを抑えられます。