ワンオペ育児とは


他の誰の助けも借りずに一人で育児をしなければならない状況を指してワンオペ育児と呼ばれています。

典型的には、父親が昼間外で働いており、母親が一人で育児をしている状況を指しますが、今後は母親が外で働き、父親が主夫として育児をし、ワンオペ育児となる状況も増えてくるでしょう。

ワンオペ育児の原因


父親もしくは母親が日中外で働いていても、自宅に帰ってきたら積極的に育児を行い、パートナーの育児負担を減らそうとしてくれる場合もありますが、そうもいかないご家庭もあるようです。

パートナーの協力不足


仕事で長時間拘束されて疲労が強かったり、集中力を要求される仕事内容であるといった理由で、帰宅後や夜間は休まなければならず、結局一日中ワンオペ育児が続くということもあります。

休日もたまにしか取れなかったり、休日は自分の趣味に使いたいなどの理由で育児に関わろうとしない場合もあります。

単身赴任やシングル


単身赴任やもともとシングルマザー・ファザーであるという事情があれば、そもそも常にワンオペ育児になることもあります。

ワンオペ育児と睡眠不足の関係


特に子どもの月齢が低く夜間授乳が必要だったり、夜泣きがあると、育児者は睡眠を妨害されます。

最低でも夜間授乳が必要なくなる生後1年頃まで、長いと約3年以上も眠れない日々が続きます。

双方の両親など育児の協力者がいる場合も、なかなか夜の授乳や夜泣き対応など夜中の世話を頼むことは難しいでしょう。

ワンオペ育児の睡眠不足による不調


肉体面


・疲労感が抜けない
・頭痛
・肩こり
・食欲不振
・胃腸の不調

上記のような不定愁訴に悩まされることもあるでしょう。

精神面


睡眠時間が細切れになったり、眠っているところを子どもに起こされたりを繰り返していると、体内時計のリズムが崩れ、疲れているのに目がさえて眠れないという不眠症につながります。

疲れはうつ状態や不安など、精神にも不調を来します。

ワンオペ育児で睡眠不足の時の対処法


子どもが寝ている時を見計らい、自分も一緒に睡眠を取るようにします。短時間でも効果があります。眠りに入れないのであれば、横になって目をつぶるだけでも疲労回復効果があります。

育児による睡眠不足に関するお悩み相談


質問1:授乳中でも睡眠導入剤などを服用することは可能でしょうか?


■ 相談者(29歳/女性)
7カ月前に初めて子供を出産し、授乳や夜泣きで2時間置きに起きる生活を続けています。 そこで質問なのですが、授乳中でも睡眠導入剤などを服用することは可能でしょうか?

■ 医師からの回答
授乳中の睡眠不足はおつらいですね。睡眠導入剤は、母乳から赤ちゃんに移行してしまうため、授乳中の内服は避けていただいています。

どうしても睡眠導入剤を内服したい場合は、その間は母乳ではなくミルクにかえていただいた方が安心です。

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授乳中でも睡眠導入剤などを服用することは可能でしょうか?


質問2:毎日の夜泣き、寝不足で少々うつ気味です。悪化させないためにはどうしたらいいですか?

■ 相談者(30歳/女性)
初めての出産、子育てで、毎日毎日積み重なる泣き声、夜泣き、寝不足で、自分の子どもが可愛くないと思う瞬間や、泣いたら、泣くな!!と怒鳴ってしまったりと、少々うつ気味かと自覚しました。

これ以上悪化させないためには、やはり自分の忍耐を鍛えるしかないのでしょうか。

■ カウンセラーからの回答
ホルモンバランスの乱れと生活のペースの乱れで 慢性的な疲労感や寝不足から心と体に負荷がかかってしまっているのだと思います。

まずは生活のサポートをしてくださる支援サービスやご家族の協力など 家事や育児の負担が少し減る方法を検討してみてください。

また、日常の中でリフレッシュすることなども取り入れ、パパに預けて1時間だけお茶をしにいく、1人でゆっくりお風呂に入るなど 身近でできることから試してみましょう。

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毎日の夜泣き、寝不足で少々うつ気味です。悪化させないためにはどうしたらいいですか?


質問3:意識が遠のくようなフラフラっとした感じが続いています。なにかの病気でしょうか?

■ 相談者(30歳/女性)
最近たっていても座っていても意識が遠のくようなフラフラっとした感じが続いています。産後3カ月半、睡眠不足はありますが三食きっちり食べています。

しかし、一日中フワフワした状態が続いていて子育てに影響しそうです。なにかの病気でしょうか?

■ 医師からの回答
低血圧、貧血、低血糖のいずれでも上記の症状を呈する可能性があります。

まずは、一度、血液検査をお受けになって、現在の相談者様の体調の状態を客観的に評価する必要があるかと思います。

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意識が遠のくようなフラフラっとした感じが続いています。なにかの病気でしょうか?

最後に医師から一言


たまにであっても、子どもの面倒を責任を持って誰かに担当してもらい、妨げられずに睡眠を取れるようにできたらよいと思います。

老人介護ではデイケアと合わせてナイトケアやショートステイのサービスが提供されていますが、育児においても、疲れ果てたお父さんお母さんに、経験がある第三者が安全に世話を代わってくれる制度が整備されるとよいと思います。

(監修:Doctors Me 医師)