エプーリスの症状

エプーリスは歯肉に炎症性、あるいは反応性に生じる腫瘤のの総称です。
エプーリスは女性に多く見られ好発年齢は20~30歳代ですが、先天性の場合は新生児でも発症します。多くの場合痛みがありませんが、腫瘤が発育するにつれて歯が傾いたり離れて開いたりすることもあるため注意が必要です。
  
進行はとても緩やかで長期にわたり大きさがほとんど変わらないものが多く、色、硬さ、形状は多岐にわたり症状の現れ方もさまざまです。一般的に歯間部歯肉に好発し、接触痛、出血が見られます。肉芽腫性では赤みがあり柔らで出血しやすく、線維成分を多く含む場合は白くて硬くなることが多いです。
   
妊娠性では茎があるもので赤色で柔らかく出血しやすいです。妊娠3か月頃から症状が現れて大きくなりますが、分娩後は症状が治まり腫瘤の発育が停止または縮小します。

エプーリスの原因

エプーリスの原因ははっきりと判明していません。しかし、プラークや歯肉縁炎などの慢性炎症性刺激、不適合な金属冠などの器械的刺激、女性ホルモンなどの内分泌異常が誘因と考えられています。
  
腫瘤は、歯と歯周組織の間から線維性組織が増殖したものであるため歯のないところでは見られません。好発部位は上顎の歯の外側です。また、腫瘤といってもがんのような転移はありませんが、悪性との区別が困難なため注意が必要です。
  

エプーリスの治療法

妊娠性エプーリスの場合、妊娠中歯磨きを徹底して口の中を清潔に保つようにしましょう。また、歯ぐきのマッサージも効果があります。妊娠性以外のエプーリスでも歯石などをためないように口の中を清潔に保つことが重要となるため、定期的に歯科で歯石を除去するのも効果があります。
  
不適合な義歯や金属冠、入れ歯などは、早めに調整することが大切です。また、疲れやストレスがたまると発症しやすくなるため、よく休んでストレスをため込まないようにすることです。
根本治療は通常、外科的に切除されます。