特発性食道破裂の症状

特発性食道破裂の症状は、嘔吐による反射が起きて、その後に、胸や背部が激しく痛むようになります。上腹部にも痛みを伴うことがあり、息苦しくなって呼吸困難になり、場合によってはショック状態になってしまう可能性があります。その苦しさや痛みは、すぐに治まるものではなく、時間が経過してもなかなか回復に至らないケースが多いです。
  
一度でも、食道が破裂してしまうと、空気が体外に漏れ出すうえに、首が腫れるようになります。触ったときや押したときには、とても違和感があります。破裂してしまった食道は、食道内の壁を2つの層にして縫い合わせることが必要になります。食道の破裂のしかたとしては、食道の下部の左胸が破けることが多く、場合によっては、右側が破れることもあります。危険性が高い病気です。

特発性食道破裂の原因

特発性食道破裂の原因は、嘔吐による反射が起きた後に、こらえようとすると、食道内に嘔吐物が充満してしまい、その時に、急激に食道内の圧力が上昇し、それに耐えきれなくなることといわれています。特にこれは、多量に飲酒した後に起こりやすいです。
  
食道の下部は、筋肉量に乏しく、神経を張り巡らせている血管が、食道の外から侵入してくるので、脆くなりやすい状態にあります。また、食道の下部の左側は、それを支える臓器が周囲にないため、元々脆く、筋肉が欠損しているという解剖学的な特徴があることも原因となります。
  
多量の飲酒をすると、体に大きな負担がかかります。そして、元々あった体の構造がそれに対応できなくなるために特発性食道破裂が起こります。

特発性食道破裂の治療法

特発性食道破裂は他の病気と違って、病変によっては起こらないので、確実な予防の方法はありません。ですが、飲食後の嘔吐で痛みを感じたのであれば、受診するようにします。

その検査で、特発性食道破裂であると疑われた場合は、早急に治療をおこないます。発症してから1日以内であれば、救命手術を受けることができます。特発性食道破裂は診断が難しいうえ、治療も難しいので、死亡率がとても高いのです。