インフルエンザ脳症の症状

インフルエンザ脳症はインフルエンザウイルスに抵抗しようとする身体の免疫がオーバーワークを起こすことによって脳の組織を破壊してしまう病気です。インフルエンザ脳症は発熱してから48時間以内に起こります。
  
その症状としてみられるものにはさまざまなものがあります。
・高熱(38度以上)、全身の倦怠感や喉の痛みなどのインフルエンザ症状
・けいれん
・呼びかけにも応じないなどの意識障害
・大声を出したり突然怒り出すなどの異常行動
  
インフルエンザ脳炎が発症した場合、けいれんや意識障害、異常行動などの神経系の症状が急速に出てきます。1日足らずで重篤となる場合もあるので注意が必要です。

インフルエンザ脳症の原因

インフルエンザ脳症はインフルエンザウイルスに感染していることが前提です。はっきりとした原因は解明されていませんが、次のような有力な仮説があります。
  
インフルエンザ脳症は脳にウイルスが直接攻撃をすることによって起こるものではありません。体を守るための免疫機能において病原体を排除する「サイトカイン」という物質があります。インフルエンザウイルスの毒性は極めて強く、このサイトカインの相互連携に障害を起こします。この結果、過剰な免疫反応が生じ免疫異常が起こります。免疫が正常に機能しないことにより神経症状が引き起こされインフルエンザ脳症が発症するといわれています。

インフルエンザ脳症の治療法

インフルエンザにはワクチンがあります。ワクチンを接種していても脳症にかかることはあります。しかし毎年ワクチンの接種を受けることで免疫効果が高まり脳症の予防になるとされています。
  
またタミフルにより、インフルエンザウイルスの増殖を防ぐことで脳症の発症率が低くなるとされています。特にインフルエンザにかかった後、早めの治療が有効です。ウイルスは症状が出てから48~72時間後にもっとも数が多くなるため症状が出てから48時間以内にタミフルを投与することが有効とされています。