インフルエンザ脳症ってご存知ですか?

主に幼児がかかることが多い急性脳症の1つで、生命の危機にも関わることもあります。

今回はインフルエンザ脳症の症状や、治療法についてご紹介させていただきます。

要チェック項目


□インフルエンザ脳症は主に幼児がかかる
□原因はインフルエンザにかかること
□インフルエンザ予防が一番の対策

インフルエンザ脳症とは?


主にインフルエンザにかかった幼児が発症する病気で、けいれんや意識障害などの神経症状をはじめ、臓器不全になることもある、ウイルス性急性脳症です。

インフルエンザ以外にも、HHV-6による脳症、ロタウイルスによる脳症などがあり、場合によっては突然死などに至る場合もあります。

脳炎と脳症の違い


脳炎はウイルスが直接脳にいって炎症を起こす場合で、脳症はウイルスが脳内にはなく、過剰な免疫反応が見られる場合です。

インフルエンザ脳症の原因


体を守る免疫とサイトカイン


インフルエンザウイルスに感染すると、ウイルスが鼻粘膜で増殖しながら全身に広がっていきますので、体はウイルスを排除しようとします。

この体を守るためのシステムを免疫といい、病原体を排除する物質をサイトカインと呼びます。

サイトカインが過剰に分泌


サイトカインが過剰に分泌されると、アレルギー反応(サイトカインストーム)を起こしてしまい、脳は高サイトカイン脳症という状態になっていまいます。

高サイトカイン脳症の状態では、正常な免疫システムが働かなくなり、インフルエンザ脳症を起こすと考えられています。

インフルエンザ脳症の症状


けいれん


以下のような症状があらわれます。

■ けいれんが10分以上続く
■ 短時間のけいれんが繰り返される
■ けいれんが左右対称ではない

意識障害


ぼーっとしていて呼んでも返事がなく、身体を軽くつねったりしても反応がない状態です。

異常行動


人やものの認識が正しくできなかったり、幻視、幻覚が見えると言ったりするようです。

さらに、奇声をあげたりうまく呂律が回らなかったりすることもあるようです。


上記3つ以外にも症状が悪化すると、呼吸が止まったり、血管がつまったりして臓器の障害を引き起こすことがあります。

インフルエンザ脳症の検査

血液検査や画像診断、脳波測定が一般的です。

インフルエンザ脳症は臓器不全や、死に至る場合もある重い病気です。疑いがある場合は早く受診しましょう。

インフルエンザ脳症の治療法

インフルエンザウイルスの増殖を抑えるため、内服薬(タミフル)の服用や点滴(ラピアクタなど)を行います。

免疫を抑える手法では、ステロイドやガンマグロブリンを用いる場合が多いです。

インフルエンザ脳症の予防対策


一番の対策はインフルエンザにかからないようにすることです。日頃から手洗いや外出時のマスク着用など徹底しましょう。

また、栄養のある食事をとり、規則正しい生活をすることで、免疫力を高めて病気になりにくい身体をつくることも大切です。

寝不足も体調を崩す原因になるので、しっかりと睡眠はとりましょう。

まとめ

インフルエンザを予防することが、インフルエンザ脳症対策になるので、日頃から手洗いなどはきちんとしましょう。

規則正しい生活を送り栄養のある食事を摂って、身体の免疫力を高めておくことも重要です。

(監修:Doctors Me 医師)