嚢虫症の症状

嚢虫症にかかってしまったとしてもすぐに症状が出るというわけではなく、1年から5年程の時間をかけて症状が出ます。嚢虫に感染した身体の箇所によって症状は様々でありますが、筋肉や皮下細胞の感染であれば、その感染箇所に違和感やしこりを感じたりします。

感染した箇所によっては大事に至らないこともありますが、嚢虫は身体のどこにでも感染するため、仮に眼球に感染したのであれば失明の恐れがあり、脳に感染したのであれば、痙攣や麻痺等の脳腫瘍が出来た際と似たようなことが発生し、最悪死に至る可能性もあります。嚢虫症は場合によって症状が異なり、発症も珍しいことから、嚢虫症であると正しく診断することは非常に難しいとされています。痙攣等の異常が発生したのであれば、病状が悪化しないためにもはやめに受診する必要があります。

嚢虫症の原因

嚢虫症を患ってしまう主な原因としては、寄生虫卵に汚染された食物、水を体内に取り入れることです。他にも、既に体内に有鈎条虫の成虫がいた場合に自身が排出した糞便から有鈎条虫の幼虫である嚢虫を体内に取り入れてしまうことがあります。また豚の糞には寄生虫卵が含まれていることが多いので、豚の近くで生活をする場合は気を付ける必要があります。
嚢虫症は症状が出てくるまで個人差がありますが、基本的に長い期間があり、また、症状の種類から原因を断定するのに時間がかかってしまうのが特徴です。判断が遅くなってしまえばその分だけ症状が重くなってしまうことに繋がるので、常日頃から衛生管理に気を付けることが重要です。

嚢虫症の治療法

嚢虫症は未然に防ぐことの出来るようなワクチンはないため、嚢虫を摂取してしまわないようにすることが大切です。
寄生虫が付いた食品を体内に入れてしまうと、嚢虫症にかかってしまうため、食品や水を体内に入れる前にしっかりと過熱して寄生虫を死滅させること、衛生管理を徹底することが、この病気の予防に繋がります。また、豚の糞便には寄生虫が大量に存在していることが多く、そこから感染してしまうこともあるため、豚を扱っている農家等は自身のためや消費者のためにも気を付けることが大切となります。
治療としては、手術で嚢虫を摘出したり、抗寄生虫薬を使ったり、それぞれの症状に対する対症療法が行われます。