ウイルス性下痢症とは
ウイルス性下痢症とは、ウイルスの感染により嘔吐や下痢の症状が現れる感染症のことです。原因となるウイルスではノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスが最もよく知られており、その他にもサポウイルスやアストロウイルスなどの多くの種類のウイルスが原因となり症状が現れます。
ウイルス性下痢症の症状
ウイルス性下痢症の症状は、原因となるウイルスによって特徴があります。ノロウイルスは冬場に発生し、吐き気や嘔吐、下痢が現れて、風邪とよく似た症状の発熱、頭痛、咽頭痛などもみられる場合があり、一般的には1~3日程度で回復します。
ロタウイルスも冬場に発生し、嘔吐から始まり、腹痛の後に下痢が現れ、発熱がみられる場合もあります。ロタウイルスの特徴としてはげしい嘔吐と下痢が3~7日程度続きます。下痢では米のとぎ汁の様な白色便になることが多くみられ、下痢による脱水症状に注意が必要になります。
アデノウイルスは夏場に発生し、咽頭結膜熱やプール熱とも呼ばれ、喉の腫れや痛み、結膜炎、38℃以上の高熱が4~5日程度続き、頭痛、腹痛、下痢も現れます。
ウイルス性下痢症の原因
ウイルス性下痢症の原因は、ウイルスに感染することで発症します。ノロウイルスは12月から3月をピークにして流行がみられます。感染経路はウイルスに汚染された食品や井戸水などの飲食物からの感染や、ヒトからヒト(糞口感染)への感染などがあります。感染から発病までの潜伏期間は1~2日とされています。
ロタウイルスは2月から5月をピークにして流行がみられます。感染経路は主にヒトからヒト(糞口感染)への感染が多く、感染力が非常に強いです。潜伏期間は1~4日とされています。
アデノウイルスの感染経路は糞口感染であり、潜伏期間は5~7日とされています。
ウイルス性下痢症の治療法
ウイルス性下痢症のノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスの治療は効果のある抗ウイルス剤はありません。そのため、下痢での脱水症状を防ぐために水分補給や栄養補給などの治療が必要になります。医療機関では整腸剤や痛み止め、脱水症状がひどいときには点滴などの対症療法が行われます。ウイルス性下痢症の感染を予防するには、トイレの後の手洗いや調理前・食事前の手洗いなど丁寧に手を洗うことを習慣付けることが重要です。そして、手を洗った後に使用するタオルを頻繁に交換して清潔を保つことも大切です。また、ロタウイルスの予防として幼児を対象に任意のワクチンがあり、接種することで発症を防いだり症状を軽くすることができます。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
- 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください