便意が1日に何回も起こるのは病気のサインなのでしょうか? また、考えられる原因は何なのでしょうか?

医師に詳しい話を聞いてきました。

正常な便通とは

便の回数には個人差があります。しかし原則として、次のような状態であれば1日に何回排便があっても、あるいは逆に1日おきであっても、特に問題はありません。

・下痢や軟便、硬い便ではない
・正常な色・形状の便が出る
・残便感がない

健康な成人の方であれば、1日1回程度、硬くも軟らかくもない正常な形状の便が、すっきり排便されるのが理想です。

しかし、1日1回以上排便があるから正常であるとか、反対に数日間排便がないから異常だとは言い切れません。

ひとつの目安として、1日5回以上便意があったり、反対に1週間も排便がないといった状態は、注意が必要な状態といえるでしょう。

下痢が続く場合

下痢が続いている場合、それに伴う症状によって病気の可能性も考えられます。その一部をご紹介しましょう。

下痢とともに腹痛・血便がある


クローン病潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患
大腸がん
・大腸腺腫症

下痢とともに腹痛がみられる


・細菌性の食中毒
A型肝炎
虚血性大腸炎
過敏性腸症候群
アルコール性肝障害
吸収不良症候群

日常生活におけるストレスなどが原因のひとつとして考えられている過敏性腸症候群は、多くの人がかかりやすい病態です。

腹痛はなく下痢が続く


・ロタウイルス・ノロウイルスなどの感染によるウイルス性下痢症
コレラ

自分の排便のペースを知ること

普段の調子がいいときの排便回数と比べて、明らかに便意や排便回数が少ない・多いといったケースにも注意が必要です。

排便は健康における一つのバロメータであると考えられます。常に自分の便の回数や形状をチェックし、明らかな変化があった場合は、次のような生活習慣を振り返ってみましょう。

・ストレス・疲労がたまっていないか
・食生活に問題はないか
・アルコールの摂取量は多すぎないか
・夜更かしはしていないか

思い当たることがあれば改善し、それでも異常が続く、腹痛、発熱、血便といった症状がある場合には、早急に消化器内科など専門科を受診することが大切です。

最後に医師から一言

排便回数や便の状態は、自分の健康状態を把握する目安として大人にとても大切なことです。明らかな変化がある場合は、生活改善や受診の必要があります。

しかし、一度検査などをしっかり行って、異常がない場合は、必要以上のデリケートになりすぎないことも必要かもしれません。

気にしすぎるとそのことがストレスとなり、便意を頻繁に感じたり、下痢などの排便異常につながるケースもあるようです。

(監修:Doctors Me 医師)