憩室症けいしつしょう

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医師監修

憩室症とは

憩室とは腸粘膜が袋状になり腸管の外側へ突出したものです。憩室に炎症や出血などの症状が起こることを憩室症といいます。40歳以上の中高年に多く、加齢とともに発生頻度、個数ともに増加する傾向にあります。日本では、盲腸や上行結腸に多く(右側型)、欧米ではS状結腸に多いです(左側型)。しかし日本人でも加齢とともに左側型が増える傾向にあり、また日本では男性に多いとされています。

憩室症の症状

憩室は、腸の壁の一部が外側へ袋状に飛びだしているものです。憩室症の自覚症状は、合併症がなければ通常は無症状か、あっても軽く、その症状は腹部膨満感、腹痛などです。憩室保有者の3〜4割にみられます。この症状は過敏性大腸症候群と類似しており、鑑別が必要となります。

合併症がある場合、出血や炎症を伴います。憩室からの出血は80%以上の症例で自然に止血します。しかし、再出血することも少なくなく、出血を繰り返す場合もあります。

右側型の炎症は、発熱や腹痛、筋性防御など急性虫垂炎に類似した症状で発症します。左側型でも右側型と同様に急性虫垂炎類似の症状が出現します。左側型は右側型に比べ、症状が強いことが多く、また炎症が繰りかえし膿瘍に進展すると周囲臓器をつき破り内瘻を形成することもあります。もっとも多い内瘻はS状結腸膀胱瘻で、膀胱刺激症状や糞尿、気尿などがみられます。憩室が穿孔すると腹膜炎を生じ重篤になることもあります。

憩室症の原因

憩室の原因には、腸管内圧の上昇が関与していると考えられています。最近の食生活の欧米化とともに、肉食が多く、繊維成分の少ない食事を摂取している事が誘因になっているといわれています。繊維の少ない低残渣食は便の量が少なく、水分の含有量も少ないため、便は小さな塊となり長期間腸管内にとどまります(便秘)。その結果大腸は便を送り出すために過剰な運動を強いられます。その過剰な運動により閉鎖小腔が形成され、腔内に非常に高い圧が発生します。この状態が長期間にわたって繰り返し起こることにより、腸管壁の圧抵抗の弱い部分(欠陥が腸壁をつらぬくところ)より粘膜が外側に脱出します。このようにして憩室が形成されると考えられています。

また第二の原因として、加齢による腸管壁の脆弱化があげられます。そのほか、体質、人種、遺伝、生活環境などの要因も複雑に作用し合って発生すると考えられています。

憩室症の予防/治療法

便通の調整を目的とした食事療法が必要です。食事は残渣の多き米飯や野菜などの高繊維食を中心とします。また食物繊維は水を吸収することで便の量を増やし、軟らかくする働きがあります。食物繊維をせっかく沢山とっても、水分が不足していると逆に便秘になることもあるので、水分をとることも必要です。そして、トイレのタイミングを逃さないことも重要です。タイミングを逃してしまうと、便の軟らかさが失われてしまうこともあり、排便時に余計な圧力がかかる原因となります。

また腸管の運動を高めるような暴飲や暴食、過激な体動(適度の運動は便秘予防には必要)や腹部のマッサージ、浣腸の乱用を避けることが必要です。もし食事で便通の調整ができない場合は、緩下剤などを投与します。一番は無形文化遺産となり世界中から注目されている和食中心とした食事を摂ることが、日本人の体に必要であると言えるでしょう。

憩室症の治療は、もし炎症がおこり、症状が出現した際には、消化のよい食事の摂取と、抗生物質の内服または点滴を行います。憩室周囲に膿が溜まる等、重症の場合は、手術療法になることもあります
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