ジャンパー膝の症状

ジャンパー膝に見られる主な症状は多くの場合、膝の前側に押されるような鈍痛が起こります。そして、膝の周囲が炎症をおこし、熱を持ってきます。初期は膝の下に違和感を感じる程度ですが、そのうち運動時に走ったりジャンプしたときに痛みを感じるようになってきます。

この段階ではまだ運動中や運動後にしか痛みは見られません。しかし症状が悪化し慢性化してくると、膝の下、指五本分ほどの範囲や、膝の上、指二本分ほどの範囲などに腫れが起こります。

さらに重症になると、膝蓋骨(膝の皿)の下端がはがれる「剥離骨折」が合わせて起こる場合もあります。これは膝蓋腱が膝蓋骨の下端にくっついているため、腱への負担が骨にも伝わるためです。

ジャンパー膝の原因

頻繁で激しい膝の曲げ伸ばしで膝蓋腱に強い負担がかかることが、ジャンパー膝になる主な原因です。膝蓋腱に小さな断裂などの損傷ができ、炎症が起きます。
バレーボール、バスケットボールなどの激しいジャンプをする競技や、サッカーなどのキック動作をする競技、陸上競技やバドミントンなどの頻繁にダッシュを行う競技で発症しやすいです。
特に成長期の人に多く見られるのは、骨の成長に筋肉の成長が追いつかず、筋肉は固く、腱も伸ばされた状態になるため、膝の柔軟性が落ちて衝撃の吸収力が低下するためです。
スポーツ以外でも原因はあります。交通事故などによる強い衝撃で膝蓋腱が損傷したり、糖尿病や関節リウマチなどの全身性疾患が原因で発症することがあります。

ジャンパー膝の治療法

ジャンパー膝の予防や再発防止のために効果的なのが、太ももの前面にある筋肉「大腿四頭筋」を鍛えることです。筋トレやストレッチングを行い、筋力と柔軟性を高めることで衝撃の吸収力をつけて、膝蓋腱への負担を軽くすることができます。
運動する際のウォームアップやクールダウン時には十分にストレッチを行います。特に太もも前面を重点的に行い、股関節も同時に伸ばすようにすると効果的です。
痛みが見られるときは、ストレッチに加え運動後にアイシングで患部をしっかりと冷やし、運動時や安静時にはテーピングやサポーターをつけて膝を守ります。
それでも痛みが強い場合は、運動を中止し患部を保護した上、早急に整形外科で診療を受けましょう。