頸椎後縦靭帯骨化症の症状

頸椎後縦靭帯骨化症の初期症状は、首筋や肩甲骨周辺・指先の痛みやしびれなどです。症状が進行すると痛みやしびれをきたす範囲が広がり、脚のしびれや感覚障害、足が意のままに動かせなくなるなどの運動障害が出現します。また、両手を使った細かい動作が困難となる巧緻運動障害なども現れます。
  
具体的には脚がもつれ、つまづきやすくなり、階段の上り下り、箸の使用、ボタンのはめ外し、ぺージをめくる、字を書くなどの動作が困難になります。重症になると膀胱直腸障害が見られ、単独での生活が困難になるケースもみられます。また、全く症状が現れない人も少なくなく、偶然に発見されることも多々あるようです。

頸椎後縦靭帯骨化症の原因

後縦靱帯は脊髄の経路である脊柱管の前壁にあるため、靱帯が骨化して厚みを増すと脊柱管が狭くなり脊髄が圧迫され、頸椎後縦靭帯骨化症を発症します。しかし、特定の原因は分かっていません。
  
単一の要因で発症することはなく、以下の要因の複数が関与して発症すると考えられています。
・遺伝的素因
・老化現象
・性ホルモン異常
・カルシウム・ビタミンDの代謝異常
・全身的な骨化傾向
・骨化部位における局所ストレス
・椎間板脱出
・糖尿病
・肥満傾向
  
原因究明と治療法の開発・研究が積極的に行われており、厚労省の特定疾患にも指定されています。

頸椎後縦靭帯骨化症の治療法

頸椎後縦靭帯骨化症は、はっきりとした原因が判明していないため、予防をするのは難しいでしょう。しかし、遺伝的因子が認められているため、家族の中に頸椎に関わらず「後縦靭帯骨化症」と診断された人がいる場合はX線検査を受けたほうがいいでしょう。
  
中年以降の発症が多く、特に男性に多く見られる疾患です。そのため、糖尿病や肥満傾向にある男性はとりわけ注意が必要となります。栄養のバランスのとれた正しい食生活を維持し、適度な運動をするなど健康的な生活習慣を心がけるようにしましょう。