肺血栓塞栓症とは
肺血栓塞栓症は、肺動脈の中に血液の塊が詰まってしまうことにより、肺組織に供給する血液の流れが止まってしまい、呼吸困難など様々な体の不調があらわれる病気のことです。最も多い原因は血液の塊が、下肢の静脈内ででき、血液の流れに乗り、心臓を経由して肺動脈まで到達して、肺動脈を閉塞するというものです。
肺血栓塞栓症の症状
肺血栓塞栓症の症状の中で最も多いのは、息苦しさです。突然息切れが激しくなり、軽い運動でも息が切れるようになります。肺動脈が閉塞すると、動脈血中の酸素濃度が低くなるため、心拍は上昇し、呼吸回数も増えることになります。また、息を吸い込むときに胸痛が発生する場合があります。胸膜炎の時の胸痛と似ているといわrています。
他には、心臓から流れる血液量が減って血圧が低下するため、失神したりショック状態になることがあるといわれています。
状態がきわめて重症の場合は、突然死する場合もあるため注意が必要です。また、肺血栓塞栓症になる兆候としての症状には、脚の腫れや、脚の皮膚の色の変化などをあげることができます。これらの症状が出ると、脚での血栓ができやすい状態になっているということができます。
肺血栓塞栓症の原因
肺血栓塞栓症になる根本的原因としては、血栓が肺動脈に詰まることですが、血栓ができる原因としては、長時間同じ姿勢を取り続けることなどが挙げられます。もともと、長時間狭いシートに座る飛行機での移動にて発症することが多く、この場合は近年までエコノミークラス症候群と呼ばれていました。最近は、長距離バスや新幹線、デスクワークなどでも発症する可能性があることが分かってきました。
また、入院中に同じ姿勢を取り続けていて、発症する例も増加の傾向にあります。入院していなくても、骨折などの要因で、長時間ギプスを装着していることにより発症した例も報告されています。
高齢者になると発症リスクが高まるといわれていて、特に60歳を超えると要注意といわれています。
肺血栓塞栓症の治療法
肺血栓塞栓症の予防策としては、血栓を発生させないことです。長時間同じ姿勢を保っている場合は、定期的にストレッチ体操を行ったり、軽く歩いたりするなどして、脚の血流を上昇させることが効果的です。また、寝たきりの人のような場合は、マッサージを行い血流を改善させる方法もあります。弾性ストッキングや弾性包帯を使用するのも一つの方法です。
最近では、薬物による予防法も開発されていて、血液が凝固しにくい薬物を利用する方法も採用され始めています。
血液が凝固しにくく、サラサラな状態にするには、食事を改善する方法も効果的で、血液をサラサラにする納豆やクロレラ、緑の濃い野菜、お茶や青魚などは効果的な食材だといわれています。
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