結核の症状

特徴的な症状は3点です。咳に痰、発熱です。咳は数週間以上続きます。血痰がでることもあり、発熱は37度前後の微熱が続くのが多く、時には高熱を伴います。これらの症状が現れた時、結核の可能性が考えられるので、検査が行われます。症状が出始めてさらに時間が経つと、全身倦怠感や体重減少、食欲不振がみられます。

最近注意したいのが、ダイエットです。ダイエット中に結核を発症し、体重減少でダイエットが成功したと思い込み初期症状を見逃してしまうことが増えています。結核菌は、肺に巣をつくる場合が多いのですが、体のいろいろな臓器にも発症します。炎症がすすむと、化膿し組織が死に腐ったような状態になります。レントゲンなどに写る影はこの状態で、肺結核はかなり長く続きます。重症になると呼吸困難で死亡することもあるので、咳が続くようであれば早めに受診しましょう。

結核の原因

結核菌は、結核菌を保持する患者が出す咳やクシャミの飛沫感染と空気感染です。結核菌が肺に吸い込まれ、免疫が働いて結核菌を取り囲み核をつくります。これが結核菌の名の由来です。一般に結核というと肺結核を指します。

結核は昔の病気の様に思われていますが、健康管理に恵まれないホームレスや結核の多い国から入国してきた外国労働者などが増加しているので、なかなか患者数は減りません。なぜ集団感染が増えているかというと、結核に対する免疫を持たない若い世代が増えた事と、診断の遅れに問題があるようです。また、発病する患者さんの65%が60歳以上とデータがでています。この年齢層の人々は、結核が蔓延していた戦前、終戦直後に感染をうけており、加齢による体力の衰えが原因となり結核を発病しています。

結核の検査にレントゲンがありますが、健康診断や他疾患の診療中の人からも結核がみつかることもあります。

結核の予防/治療法

結核の予防には、BCG接種がかかせないでしょう。結核菌の免疫のない人にごくごく弱い菌をさして、免疫をつけるワクチンです。国内では、1歳になるまでに受けることになっています。
接種方法は、スタンプ方式です。効果は10?15年持続すると考えられています。接種を行う事で、結核菌に感染を受けて発病した場合、何もしていないときの1/5にすることができます。赤ちゃんは感染を受けると髄膜炎などの重症な疾病をかなりの確率で起こします。BCG接種はその予防に効果があります。

結核菌に感染すると1〜2年の間に発病する確率が高まります。その場合あらかじめ結核の治療薬を服用して、結核菌死滅させます。潜在性結核感染症治療(化学予防)といいますが、この治療を行うことによって、発病を半分から5分の1位におさえることができます。赤ちゃんにおこなわれる潜在性結核感染症の診断は、ツベルクリン反応検査です。