朝起きられない、身体を動かすのがだるいと言っている人が「低血圧だからしょうがないんだけど」などと理由づけしているのを聞いたことはありませんか?
ただの言い訳じゃないのかと思いたくもなりますが、実際のところ血圧の低さと体調は関係があるようです。
今回は血圧と体調の関係について紹介していきます。
□低血圧の基準は最高血圧が100mmHg以下。
□低血圧の半数が原因不明とされる。
□睡眠、運動、食事。規則正しい生活が大切。
高血圧治療ガイドライン2009によると、若年者・中年者の目標値は、130/85mmHg以下とされています。
低血圧は以前は基準がありませんでしたが、現在はWHO(世界保健機構)で定めた世界共通の基準として、最高血圧が100mmHg以下、最低血圧が60mmHgのものを低血圧としています。
イメージでは若い女性に多いような気がしますが実際には男性にも少なくないようです。
頭痛や肩こり、動悸息切れ、不眠、食欲不振、吐き気、胸やけ、胃もたれ、倦怠感、集中力の低下、手足の冷えなど、全身の様々な症状があります。
これらの症状は、軽度のうつ病や自律神経失調症にも重なる部分があり、低血圧であることを見過ごされてしまうこともあるため注意が必要です。
本態性低血圧は他の疾患が否定された場合に診断され、低血圧のなかでは最も多くみられます。主に、持って生まれた体質的なものが要因と考えられています。
家族に低血圧の方がいる場合など遺伝性とされる場合もありますが、家族の場合は、食事や生活習慣といった環境が同様であるため、環境要因による可能性も捨てきれません。
座っていた姿勢から立ち上がったときなどに、急にフワッとするのが起立性低血圧です。このとき血圧の変化として、最大血圧が20mmHg以上の低下があります。
低血圧による脳の血流量の低下や、自律神経の障害によっても起こります。
何らかの疾患や、服用している薬の影響で低血圧になるタイプです。
血圧は血液の圧力の状態ですから、血液を送り出す心臓の病気や、全身の血管に関わる疾患、さらに血圧を調整する神経やホルモンの状態によって変化します。
心臓や血管など循環器の病気、副腎皮質ホルモンの分泌に障害をきたすアジソン病などの内分泌系の病気、そのほか、パーキンソン病、各種がん、甲状腺異常などでも、低血圧を起こす場合があります。
薬の影響としては、糖尿病で血糖値コントロールと起立性低血圧の関係や、高血圧の薬を服用した場合の副作用が判明しています。
一方で低血圧は、高血圧のように合併症を引き起こすようなリスクはないと言われています。
しかし、不快な症状があることに変わりはありませんし、生まれもった体質であることが多いため一生付き合っていくことになる症状です。少しでも解消する方法に取り組み、うまく付き合っていきましょう。
低血圧の人は活動までに時間がかかるため、朝もギリギリまで布団の中にいることが少なくありません。そのため、朝食を取らずに外出することも多く、エネルギーの補給がないまま仕事に向かうことになります。
さらに、午後から夕方にかけて元気になり、ついつい夜更かしということもあるようです。できるだけ朝から活動するためには、早寝早起きを心掛け、朝も余裕をもって起きることが大切です。
適度な運動は血圧を上げるために効果的です。デスクワークが多いなど、現代は意識しないとなかなか運動量は確保できません。
エレベーターから階段へ、一駅歩いてみるなど、普段の生活の中に少し運動を取り入れてみると良いでしょう。もちろん、スポーツジムに通ったり定期的な運動を始めるのもお勧めです。
朝起きられないから朝食を食べない、あるいは夜は活動的になるため夕飯を食べすぎたり、遅い時間に食べてしまうなど食習慣が乱れがちです。
規則正しい生活とともに、血圧をあげるために必要な栄養素を摂りましょう。特にタンパク質は、体温を上げたり、身体の疲れをとる効果があります。
肉や魚、卵、大豆などをバランスよく食べると良いでしょう。また、ナッツ類は、不足しやすいビタミンやミネラルの補給におすすめ。つい甘いものに手を伸ばしがちなところを、ナッツ類に置き換えてみると良いでしょう。最近は小分け包装のものもあるため大変便利です。
コーヒーや緑茶、紅茶に含まれるカフェインは、血圧をコントロールしている交感神経を刺激して、血圧を上げてくれる効果があります。
食後に飲むのがお勧めです。過度に飲むことは不眠など別の症状に繋がるので、適度に飲むことをお勧めします。
熱めのお風呂に入浴したり、シャワーを浴びることは血流を良くする効果があるため、低血圧の人にとって有効です。
また、ローズマリーなどのアロマオイルは血流を良くするとも言われているため、浴槽に入れたり、キャリアオイルとともにマッサージを試してみるのも良いでしょう。
低血圧では、基本的には投薬の前に生活習慣の改善を勧められます。しかしながら、生活習慣などを意識しても、どうしても生活に支障が出るという場合には医師の治療方針として薬物療法をとる場合もあります。
規則正しい生活や適度な運動をして、健康的な生活を心がけましょう。
(監修:Doctors Me 医師)
ただの言い訳じゃないのかと思いたくもなりますが、実際のところ血圧の低さと体調は関係があるようです。
今回は血圧と体調の関係について紹介していきます。
要チェック項目
□低血圧の基準は最高血圧が100mmHg以下。
□低血圧の半数が原因不明とされる。
□睡眠、運動、食事。規則正しい生活が大切。
低血圧の基準は?
血圧は、心臓から全身に送り出される血液の圧力の状態です。そもそも健康な人の血圧とはどれくらいなのでしょうか。高血圧治療ガイドライン2009によると、若年者・中年者の目標値は、130/85mmHg以下とされています。
低血圧は以前は基準がありませんでしたが、現在はWHO(世界保健機構)で定めた世界共通の基準として、最高血圧が100mmHg以下、最低血圧が60mmHgのものを低血圧としています。
イメージでは若い女性に多いような気がしますが実際には男性にも少なくないようです。
低血圧ではどのような症状が起こる?
低血圧で起こる症状としては、朝なかなか起きられない、めまいが起こるといった、一般的にイメージされやすい症状に加え、頭痛や肩こり、動悸息切れ、不眠、食欲不振、吐き気、胸やけ、胃もたれ、倦怠感、集中力の低下、手足の冷えなど、全身の様々な症状があります。
これらの症状は、軽度のうつ病や自律神経失調症にも重なる部分があり、低血圧であることを見過ごされてしまうこともあるため注意が必要です。
低血圧の分類
低血圧の診断は3つに分類されます。本態性低血圧
本態性低血圧は他の疾患が否定された場合に診断され、低血圧のなかでは最も多くみられます。主に、持って生まれた体質的なものが要因と考えられています。
家族に低血圧の方がいる場合など遺伝性とされる場合もありますが、家族の場合は、食事や生活習慣といった環境が同様であるため、環境要因による可能性も捨てきれません。
起立性低血圧
座っていた姿勢から立ち上がったときなどに、急にフワッとするのが起立性低血圧です。このとき血圧の変化として、最大血圧が20mmHg以上の低下があります。
低血圧による脳の血流量の低下や、自律神経の障害によっても起こります。
二次性低血圧
何らかの疾患や、服用している薬の影響で低血圧になるタイプです。
血圧は血液の圧力の状態ですから、血液を送り出す心臓の病気や、全身の血管に関わる疾患、さらに血圧を調整する神経やホルモンの状態によって変化します。
心臓や血管など循環器の病気、副腎皮質ホルモンの分泌に障害をきたすアジソン病などの内分泌系の病気、そのほか、パーキンソン病、各種がん、甲状腺異常などでも、低血圧を起こす場合があります。
薬の影響としては、糖尿病で血糖値コントロールと起立性低血圧の関係や、高血圧の薬を服用した場合の副作用が判明しています。
こわい病気ではない?
高血圧は、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞や狭心症、高血圧性腎障害、眼底網膜病変など、命にも関わることがある合併症に関係しています。一方で低血圧は、高血圧のように合併症を引き起こすようなリスクはないと言われています。
しかし、不快な症状があることに変わりはありませんし、生まれもった体質であることが多いため一生付き合っていくことになる症状です。少しでも解消する方法に取り組み、うまく付き合っていきましょう。
血圧の低さを解消するには?
低血圧であると診断された場合、上手に付き合っていくことが必要になります。少しでも日々が快適に過ごせるよう意識すると良い項目を挙げてみます。早寝早起き
低血圧の人は活動までに時間がかかるため、朝もギリギリまで布団の中にいることが少なくありません。そのため、朝食を取らずに外出することも多く、エネルギーの補給がないまま仕事に向かうことになります。
さらに、午後から夕方にかけて元気になり、ついつい夜更かしということもあるようです。できるだけ朝から活動するためには、早寝早起きを心掛け、朝も余裕をもって起きることが大切です。
適度な運動
適度な運動は血圧を上げるために効果的です。デスクワークが多いなど、現代は意識しないとなかなか運動量は確保できません。
エレベーターから階段へ、一駅歩いてみるなど、普段の生活の中に少し運動を取り入れてみると良いでしょう。もちろん、スポーツジムに通ったり定期的な運動を始めるのもお勧めです。
たんぱく質やビタミン・ミネラルを摂る
朝起きられないから朝食を食べない、あるいは夜は活動的になるため夕飯を食べすぎたり、遅い時間に食べてしまうなど食習慣が乱れがちです。
規則正しい生活とともに、血圧をあげるために必要な栄養素を摂りましょう。特にタンパク質は、体温を上げたり、身体の疲れをとる効果があります。
肉や魚、卵、大豆などをバランスよく食べると良いでしょう。また、ナッツ類は、不足しやすいビタミンやミネラルの補給におすすめ。つい甘いものに手を伸ばしがちなところを、ナッツ類に置き換えてみると良いでしょう。最近は小分け包装のものもあるため大変便利です。
カフェインが含まれるコーヒーやお茶を飲む
コーヒーや緑茶、紅茶に含まれるカフェインは、血圧をコントロールしている交感神経を刺激して、血圧を上げてくれる効果があります。
食後に飲むのがお勧めです。過度に飲むことは不眠など別の症状に繋がるので、適度に飲むことをお勧めします。
熱めのシャワーを浴びる
熱めのお風呂に入浴したり、シャワーを浴びることは血流を良くする効果があるため、低血圧の人にとって有効です。
また、ローズマリーなどのアロマオイルは血流を良くするとも言われているため、浴槽に入れたり、キャリアオイルとともにマッサージを試してみるのも良いでしょう。
薬物療法
低血圧では、基本的には投薬の前に生活習慣の改善を勧められます。しかしながら、生活習慣などを意識しても、どうしても生活に支障が出るという場合には医師の治療方針として薬物療法をとる場合もあります。
低血圧は規則正しい生活がカギ
低血圧は高血圧とは異なり重篤な疾患を合併することはありませんが、それでも毎日の体調に関係してきます。規則正しい生活や適度な運動をして、健康的な生活を心がけましょう。
(監修:Doctors Me 医師)