膝関節脱臼の症状

膝関節脱臼は、そのほとんどが膝蓋骨が外側に脱臼します。この状態を外側脱臼とよびます。
症状としては、初期事例では膝関節の痛みや腫れを訴えることがあります。しかし、脱臼を繰り返していると膝関節の痛みや腫れの症状は少なくなり、かわりに不安定感を強く訴えるようになります。脱臼を繰り返し起こすことを、反復性脱臼とよびます。
初めて膝関節脱臼を起こす年齢は10代の女性に多く見られますが、そのうちの半数近くが繰り返し脱臼を起こすようになります。
膝関節脱臼は自然整復が見込めますが、膝蓋骨の脱臼や整復の際に膝蓋骨や大腿骨の関節面の一部分に骨折を起こす場合もあるので、医療機関で受診しながら経過を診ていく必要があります。

膝関節脱臼の原因

膝関節脱臼を起こす原因は2つあります。
1つ目は、膝を伸ばす太ももの筋肉が強く収縮した時に起こります。たとえば、ジャンプして着地をした時の状態です。
2つ目は、生まれつき膝関節脱臼を起こす素因を持っていることです。膝関節脱臼の患者の中には、この素因を持っている事例は少なくありません。膝蓋骨や大腿骨の形の異常、大腿四頭筋の働く方向や膝蓋靭帯の方向が通常の場合と異なっていることが素因となります。
このため、運動をしている最中などに脱臼を起こしやすくなるのです。さらに、先にも述べましたが、10代の女性に初回の脱臼を起こす人が多く、一度起こすと繰り返し脱臼を起こす(反復性脱臼)ので注意が必要となってきます。

膝関節脱臼の治療法

ここまで主な症状や原因をみてきましたが、次に膝関節脱臼の予防についてです。
初回の脱臼の場合には、整復したあとに膝を固定具で固定します。これが一般的な処置です。
それでも反復性脱臼を起こしやすそうな場合には、手術をして脱臼を起こしにくいようにするという手段があります。反復性脱臼を起こしやすいか起こしにくいかは、生まれつきの素因をみることでわかります。手術をしたくない場合には、専用の脱臼防止用の器具があるので、それを装着して膝関節脱臼を予防することになります。
どのような予防をするかは、病態や年齢によってかわることもあるので医療機関で相談する必要があります。