肛門皮垂/スキンタグの症状

肛門皮垂は単なる皮膚の突起のため、特に症状がなければ気にする必要はありません。ただし、排便後に肛門をきれいにすることが難しくなる場合があります。不潔な状態が続くことで、肛門周囲に炎症を起こし、刺激を受けるとかゆみが生じることがあります。炎症を繰り返すうちに、皮膚の突起がさらに大きくなっていくことがあります。
  
また、肛門裂肛や肛門周囲の湿疹などに伴って発生することが多いため、肛門部の違和感やべたつき、不潔状態が多くみられます。肛門周囲を清潔に保つことや便通をコントロールすることで症状はある程度改善されます。しかし、一度できた肛門皮垂は外科的に切除しなければ小さくなることはあっても完全に治ることはありません。

肛門皮垂/スキンタグの原因

肛門皮垂は、嵌頓痔核や血栓性外痔核、慢性裂肛などの炎症により、肛門周囲の皮膚が一時的に腫れ、腫れが治まった後も皮膚のしわとして残ることが原因です。中でも裂肛や出産後にできるのは女性特有で、肛門前方にできるといわれています。
  
また、肛門皮垂ができると肛門部の便をきれいに拭き取ることが難しくなるため不衛生になりがちです。不潔な環境は、さらに皮膚に炎症を起こし、肛門皮垂を増大させる悪循環となります。

肛門皮垂/スキンタグの治療

肛門皮垂は、症状がなければ、治療せずに放置しておいても問題ありません。しかし、肛門周囲に炎症を起こし、かゆみや痛みがみられる場合は治療を行います。
  
保存的治療としては、まず肛門部を清潔に保ち、便通を整えます。炎症に対して、軟膏などを使用することもあります。

症状がある場合や肛門皮垂が美容的に気になる場合は、日帰り手術で簡単に切除することができます。局所麻酔下に手術を行うことため、その日のうちに退院できます。翌日は、必ずしも仕事や学校を休む必要はありません。