生理前の感情の起伏は病気なのか

生理前の期間には感情の起伏が激しくなることがあり、イライラや気分の落ち込み、不安感などの精神的な症状が現れることがあります。

また吐き気や頭痛、倦怠感などの身体症状をともなうこともあります。

この状態は「月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)」と呼ばれています。

なかでも、精神的な症状が特に強い場合は「月経前不快気分障害(premenstrual dyspholic disorder : PMDD)」と呼ばれます。

月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)は多くの女性が経験するといわれています。

しかし、症状が日常生活に支障をおよぼすほど強いのであれば、受診してみると良いでしょう。

薬で症状を軽減できる場合があるほか、生理前の期間に症状が悪化することのあるうつ病のような精神疾患などが隠れている場合もあります。

生理前に感情の起伏が激しくなる原因

生理前にさまざまな症状が現れる理由ははっきりとはわかっていませんが、女性ホルモンの分泌量の変動が主な原因であると考えられています。

女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」の分泌量は排卵後に増え、生理が始まる直前に急激に減ります。

この変動に脳内のホルモンや神経伝達物質が反応してさまざまな症状が起こるとされていますが、ストレスや生活習慣などのほかの要因も関係しているとされています。

生理前の感情の起伏に対する治療や対処法

治療法


精神安定剤や抗うつ薬が処方されることがあります。また、漢方薬も有効である場合があります。

対処法


症状日記をつける
月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)では同じような症状が現れることが多いとされています。

このため、症状を記録した「症状日記」をつけて、自分の毎月のリズムを把握すると対処がしやすくなります。

身近な人に説明しておく
症状が人間関係に影響を及ぼしてしまう場合は、家族や友人など身近な人に「生理前に症状が強くなってしまう」とあらかじめ説明しておくと、衝突を避けられるかもしれません。

生活習慣を整え、ストレスを避ける
規則正しい生活や栄養バランスの良い食事を心がけましょう。また、仕事量を調整したりしてストレスを避けるようにすると良いでしょう。

リラックスして過ごす
この時期は人と会う用事を減らすなどして、のんびりと過ごすのもひとつの方法です。