食道炎の症状

食道炎の中で多く見られる「逆流性食道炎」のよくある症状は、みぞおちから胸・喉にかけてのやけつくような痛みや不快感です。この胸やけは痛みを伴う場合もあります。他にも、酸っぱいものがこみ上げてくるような呑酸、しめつけられるような胸痛を感じることもあります。喉の違和感や声のかすれなども見られ、気管支炎や喘息などを引き起こすケースもあります。胃では胃もたれや吐き気、膨満感などが主な症状です。「逆流性」の症状が進むと、炎症部から出血し吐血が見られることもあります。
「腐食性」の場合は症状が急性で重篤であるため、救急車による速やかな搬送、入院治療が必要となります。

食道炎の原因

逆流性食道炎は、胃の内容物が食道まで逆流し、酸性の胃液や十二指腸液が食道粘膜を侵すことで炎症が起きます。原因は主に、逆流を防ぐ下部食道括約筋の働きの低下や、脂肪分の取りすぎによる胃酸の過剰分泌などとされています。
口からの異物により食道粘膜が傷つき、そこから細菌が入って生じる「感染性」もあります。
抵抗力のない年配の方や、エイズなどの患者さんにカンジダが感染しておこる炎症も、「感染性」の一種です。
また、抗生物質などある種の薬剤が食道に留まって引き起こす「薬剤性」もあります。
アルカリ電池の誤飲などで起こる「腐食性」は、酸やアルカリが食道粘膜を腐食しておこるものです。

食道炎の治療法

逆流性食道炎の予防は食生活の改善が有効です。甘いものや脂肪分の多いもの、香辛料などの刺激物や酸味の強い果物を控えましょう。腹八分を心がけ、体重を増やさないように適度な運動をすることも大切です。
また、アルコールは下部食道括約筋の働きを低くさせるため摂取を控えましょう。カフェインも胃酸の分泌を増やすので注意が必要です。
食後2~3時間は胃の内容物が逆流しやすくなっています。就寝までに数時間あけることが望ましいです。逆流を防ぐために、枕を置いて頭の位置を少し高くすることも効果があります。