猫ひっかき病とは
猫ひっかき病とは、猫にひっかかれた傷からバルトネラ・ヘンセレ(Bartonella henselae)という菌が感染することにより発病する感染症です。2週間前後の潜伏期ののち、リンパ節の腫大を認めます。通常、自然に治りますが、数か月から数年かかる場合もあります。また、免疫が低下している人では重症化する場合があり、抗生物質の治療が行われます。
猫ひっかき病の症状
猫ひっかき病により起こる症状は、皮膚の異常やリンパ節の腫れ、さらに発熱や発疹などの変化が表れます。これらの症状が起こるのは、猫に引っかかれた傷から細菌が感染してから、数日から数週間に渡る潜伏期間を経てからのものです。一番初めに異常が見られるようになるのは、皮膚です。皮膚に直径2mmから5mm程度の小さな赤い発疹が表れてきます。また、かさぶたが生じることもあります。さらに、リンパ節の腫れも発症し、痛みを伴うリンパ節の腫れが起こります。こうした皮膚やリンパ節、さらに発熱といった症状が一般的であるものの、場合によっては結膜炎などの眼の異常や、あるいは意識障害などの脳の異常が引き起こされる可能性もあります。
猫ひっかき病の原因
猫ひっかき病を引き起こす原因には、猫にひっかかれた傷から感染する細菌の存在があります。バルトネラ菌と呼ばれるグラム陰性桿菌に感染することによりこの病気の症状を示すようになります。バルトネラ菌は、猫自体には病気の症状を引き起こすことはありません。しかし、猫の血液や口腔内の粘膜などに菌が含まれて、感染を引き起こします。猫の爪や牙、あるいは猫に寄生するノミを媒介として、バルトネラ菌が人間の体内に感染する経路を持っています。特に、猫と共に暮らしている環境にある人は、バルトネラ菌に感染する確率が大きいです。日本においては、約1割の猫がこの菌を保有していて、特に子猫からこの菌に感染するという可能性が高い傾向にあります。
猫ひっかき病の治療法
猫ひっかき病にかかることを予防するためには、極力猫と接触するための機会を限定することが大切なことです。飼い猫が細菌に感染しないように注意を払い、また、見知らぬ猫にはあまり近づかないことが必要です。飼い猫は、なるべく外に出さないことによって、外での菌の感染を防ぐことができます。また、ノミが菌を媒介する場合もあるため、ノミの駆除を行う事も大切です。さらに、唾液からの菌の感染を防ぐため、口移しで食べ物を与えないといった対策も必要とします。必要以上の猫との接触を減らせば、猫ひっかき病にかかる可能性は低くなります。
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