低カリウム血症の症状

カリウムの主な役割は、体液の浸透圧調整、筋肉の収縮、神経伝達を助けることです。そのため、低カリウム血症になると、消化管や筋肉、腎臓、神経系に障害を受けやすくなります。

軽度であれば、無症状、または若干の高血圧や不整脈が見られます。中等度になると、筋力低下や筋肉痛、悪心、嘔吐、便秘、痙攣などの症状が出ます。

さらに重度になると、四肢麻痺や自律神経失調、筋肉痙攣、呼吸筋麻痺、不整脈、麻痺性イレウスなどに至ります。深刻な症状になると、骨格筋の壊死により呼吸不全に陥ることもあります。

その他にも、多尿・多飲、不安、イライラ、抑うつ、睡眠障害、乾燥肌などの症状が見られます。

低カリウム血症の原因

低カリウム血症の原因は、大きく分けて3つ挙げられます。

カリウムの摂取量が少ない


拒食や過度の飲酒など極端に偏った食生活をすると、体に必要なカリウムが不足します。

体からカリウムが出ていく


嘔吐や下痢が続いたときや、多量の下剤服用などにより、カリウムが体外に多く流出します。また、腎臓病や副腎皮質ホルモンの病気、利尿剤の長期使用などでも、尿へのカリウムの排出が増加することがあります。

血液中のカリウムが細胞内へ取り込まれてしまう


血液がアルカリ性に傾いたり、血液中にインスリンが増加したりした場合にも、低カリウム血症を引き起こします。また、甲状腺機能亢進症の場合にも起こります。

低カリウム血症の治療

原因となる病気がある場合は、その治療を優先します。

偏った食生活や下剤・利尿剤の長期使用などが原因の場合は、規則正しい生活習慣や食生活、薬剤の正しい使用を心がけます。

カリウム含有量の多い食品は、野菜(ほうれん草、小松菜、たけのこ、枝豆など)や果物(アボカド、バナナ、メロンなど)、イモ類などです。

また、甘草を含む漢方薬の長期服用によっても、体外にカリウムが大量排出されることがあります。薬の併用の際は、1日に摂取してもよい甘草の限度量を把握して、過剰服用を防ぐことも必要です。