症状性精神障害の症状

心の病気の一種で、器質性のものに分類される症状性精神障害は、原因となっている疾患によって現れる病状は変わってきます。主なものとして挙げられているのは、うつ状態や躁状態に加えて、眠れないあるいは寝つきが悪いなどの不眠です。
  
また、何をするにも力が湧かずに意欲が低下したり、集中力の低下がみられます。脳に影響を与えることから、知能障害をおこしたり、幻覚や幻聴、妄想などが見受けられることもあるため、ほかの精神疾患であると診断されることもあります。
  
意識障害を引き起こしますが、症状の出方に非常に波があり、軽度のため、本人にも自覚はなく、周囲の人間も気づきにくいものとなっています。ほかの病気の治療中であったり、過去に精神疾患になったことがないのに、突然このようなことになった場合は症状性精神障害を疑います。

症状性精神障害の原因

症状性精神障害は身体的疾患が原因で、二次的に脳に影響を与えることで発症します。そのため、根本的な原因は身体的疾患にあります。
主な原因となる疾患には、さまざまな箇所に慢性的な炎症をおこす、全身性エリテマトーデスなどの膠原病やインフルエンザや肺炎、肺結核やチフスなどの感染症があげられます。
  
また、肝不全や糖尿病などの代謝異常や心臓疾患などからも発症します。そのほか、甲状腺や副甲状腺、下垂体などの内分泌疾患や、一酸化炭素や有機水銀、アルコールや薬物などによる中毒もあげられます。
  
女性であれば、月経や妊娠、出産や更年期などによる女性ホルモンの分泌の変化も、症状性精神障害に深いかかわりがあるとされています。

症状性精神障害の治療法

症状性精神障害の予防としては、原因となる身体的疾患になることをまずは防ぐことが必要です。
そして、自分らしくいることが心の健康の基本として、身体的ケアも行いながら心のケアもおこなっていきます。
 
また、体調の変化などから、自分なりのSOSの信号をキャッチする習慣をつけるよう心がけます。女性は環境も変わりやすく、女性ホルモンの分泌の変化の影響を受けやすいため、規則正しい生活やストレスの軽減などをしながらホルモンバランスを整えることも予防のいっかんになります。
  
症状性精神障害を引き起こす疾患には糖尿病などの生活習慣病も関係しているため、規則正しい生活と食事のバランスにも気を付けます。