耳管狭窄症の症状

通常、耳管は塞がっていますが、唾液や物を飲み込んだり、あくびをするときに開かれ、中耳が換気され外との圧を一定に保ちます。しかし、耳管が塞がってしまったり、狭くなって換気ができなくなると、以下のような症状が現れます。
・耳の聞こえが悪い・耳に痛みがある
・耳鳴りがする
・つまった感じがする
・自分の声が大きく聞こえる
・めまい
  
さらに、症状がひどくなり、耳管の完全閉塞状態が継続すると、中耳に浸出液が貯まり、「浸出性中耳炎」となります。ちなみに、飛行機に乗ったときにも「航空性中耳炎」という最も軽い耳管狭窄症の状態になることがあります。

耳管狭窄症の原因

耳と鼻をつなぐ耳管は長さ3~4cm、直径1mmほどのとても細い管であり、耳管内側の粘膜が腫れて狭くなったり、耳管を塞ぐ炎症などで、耳管狭窄症の症状を引き起こします。原因は、以下が挙げられます。
・風邪に伴う上気道炎・副鼻腔炎
・上咽頭炎・アデノイド(咽頭扁桃肥大)
・上咽頭血管線維腫
・上咽頭がん
  
その他にも、耳管入り口の炎症や軟骨異常、鼻茸などの鼻の炎症、疲労や高齢者の機能障害などが原因になることがあります。また、先天性異常である口蓋裂を持つ子どもは、耳管を開く筋肉が弱いために耳管狭窄症になることがあります。

耳管狭窄症の治療法

耳管狭窄症にならないためには、風邪を引いた後、こじらせて副鼻腔炎や鼻炎にならないよう安静にすることです。また、体力が低下すると粘膜の炎症を引き起こすため、ストレスや疲れを貯めないことです。
  
耳管狭窄症の症状が現れた場合、悪化させて浸出性中耳炎や癒着性中耳炎などにならないよう、原因となる病気の治療を行うことです。また、航空性中耳炎を防ぐためには、風邪や鼻づまりの症状がひどいときは、急激な気圧の変化がある飛行機の搭乗を控えることです。