嚥下障害とは
嚥下障害とは、さまざまな原因により口からものを飲み込む機能が低下した状態のことを言います。嚥下障害になると、食べ物の誤嚥による誤嚥性肺炎や、食事量の低下による栄養低下が起こりやすくなるので、注意が必要です。
嚥下障害の症状
嚥下障害の症状は、食べ物の飲み込みにくさや、飲み込むときのむせが挙げられます。特にぱさぱさした食べ物や、固いもの、水のようにとろみがなく誤嚥(本来、食道に入るべきものが気管や肺に入ること)しやすいものなどの飲食に困難が伴い、時間がかかるようになります。また、流動食に近いとろみのついた食事を好むようになります。さらに、物を飲み込んだ後に、むせて咳が出たり、痰が出ることがあります。水分を摂取した後に、痰が絡んだような声になることもあります。これは、飲み込む機能が低下したために、食事を誤嚥した可能性が考えられます。誤嚥は肺炎の原因になるので注意が必要です。
嚥下障害の原因
嚥下障害は、子供から成人、高齢者に至るまで、さまざまな年齢層で見られます。子供や成人の場合は、先天奇形など生まれつきものもから、病気やけがによる機能障害によるものまでさまざまです。特に脳梗塞など脳血管の疾患や、神経や筋肉の疾患が原因となる場合が少なくありません。また、高齢者の場合は、加齢による嚥下に必要な筋力の衰えで起こる場合が非常に多くなっています。
いずれも、軽度であれば、とろみをつけた柔らかな食事にするなど、普段の食生活での対応が可能です。しかし、症状が重くなり、食べ物の経口摂取が難しくなった場合、胃ろうをはじめとした栄養補給法を検討する必要があります。
嚥下障害の治療法
嚥下障害は、脳梗塞などの病気から引き起こされる場合があるので、まずはその脳血管の疾患などにかからないように気をつけることが大切です。栄養バランスのとれた食事と適度な運動を心掛けるようにします。また、嚥下障害になっている人は、誤嚥を防ぐために、食事のときの姿勢が大切です。できるだけ背筋をぴんと伸ばして食事をすると誤嚥を防ぐことにつながります。また、無理のない食事を行うために、とろみをつけたり、食材を小さく切ることも大切です。食べるときは頬張らずに少量ずつよく噛んで完全に飲み込んでから次の食べ物を口にしましょう。
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