虚血性心疾患とは
虚血性心疾患とは、心筋に血液を送る冠状動脈が狭くなったり塞がったりすることで、心筋に酸素や栄養が不足する状態です。 冠状動脈が細くなるのが狭心症で、冠状動脈が詰まったのが心筋梗塞です。虚血により心筋の収縮する力が低下すると虚血性心不全という状態になります。心筋の虚血そのもので危険な不整脈を彦起こすこともあります。これらの病態を創傷したのが虚血性心疾患で、別名、冠動脈性心疾患ともいいます。 平成25年の厚生労働省「人口動態統計の概況」によると、わが国の死因別死亡数では、心疾患は年間約20万人弱で、がんに次ぐ第2位でした。このうち虚血性心疾患は心疾患全体の38%を占めている重要な疾患です。
虚血性心疾患の症状
虚血性心疾患の症状は多様です。運動などの動作によって心臓に負担がかかり、歩行時や階段の昇降時に、心臓が酸欠状態になって狭心痛を引き起こします。数十秒から10分ほどで自然におさまります。安静にしていても起こる場合があり、明け方や深夜に何度も繰り返す人もいます。
血管が完全に詰まってしまった場合は、心筋に酸素が届かないことで、細胞が死んでしまいます。死んでしまった心筋は元に戻ることはなく、心不全や不整脈などを引き起こします。命の危険にかかわる症状で、死亡率は約40%です。死亡者の約70%が発作から2時間以内で亡くなっています。
虚血性心疾患の原因
虚血性心疾患を引き起こす危険因子は、高血圧症と喫煙、高コレステロール、高尿酸血症、加齢や閉経、遺伝や糖尿病、肥満が含まれます。生活の中では、運動不足や過度な飲酒、ストレスが含まれます。これらは主に動脈硬化の危険因子です。
心臓を養う冠動脈の異常な痙攣様の収縮も原因となることがあります。喫煙によって引き起こされることがあり、安静時に発症することが多いです。
虚血性心疾患の治療法
虚血性心疾患の予防や再発防止のために、日常生活で行えることがいくつかあります。心臓への負担を少なくするため、食事や運動、入浴などの動作を行う際には、動作間を30分程度あけるようにし、二重負荷を防ぎます。
入浴時は、39度から40度のぬるめのお湯に設定し、長風呂を避けます。急激な温度の変化も心臓に負担がかかるため、冬場には脱衣所も温めておきます。
たばこや濃い味などの嗜好品の量にも気を付ける必要があります。たばこは心臓の血管を収縮させることによって血圧を上げるため、心臓への負担が大きいです。
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