マルファン症候群とは
「マルファン症候群」は先天性の遺伝子疾患で、高身長で手足が長いのが特徴です。発症率は約5000人に1人の確率で全国に2万5000人を超える患者がいる計算になります。マルファン症候群は身体の細胞同士を結合する組織に影響を与え、骨格、目、心臓、神経系といったさまざまな器官に症状が現れます。
マルファン症候群の症状
マルファン症候群の症状は身体の多くの器官で症状が現れ、その度合いは患者によって異なります。発症しやすい器官の主な症状は以下のとおりです。
・骨格
背が高くやせ型で手足が長い体型になります。背骨の異常や鳩胸、漏斗胸、関節が曲がりすぎる、両手・両腕を横に広げた長さが身長を上回ることなどが現れます。
・目
水晶体の亜脱臼や近視、網膜剥離、斜視、若年性緑内障などの症状があります。
・心臓
心臓の弁の機能不全や大動脈瘤などがあります。
・神経系
腹部の痛みや足の痛み、麻痺、足に力が入らなくなるといった症状が現れます。これは脳と髄膜を覆う結合組織の膜が弱ることによって背骨下部の脊柱が影響を受けることで起こります。
マルファン症候群の原因
マルファン症候群は結合組織が影響を受けることでさまざまな症状を引き起こす疾患です。結合組織は複数のタンパク質からできた身体の細胞と細胞を結びつけるもので
・組織に栄養を運ぶ際の手助けをする
・組織そのものを形成し、強化する
・組織そのものが持つ働きを促進する
といった働きを持っています。
マルファン症候群患者はタンパク質の1物質である「フィブリリン」を作り出す遺伝子に欠陥があります。このフィブリリンが不足することで身体は正常なタンパク質を作り出すことができなくなってしまいます。結果、結合組織が弱くなり多くの器官に症状が出るのです。
マルファン症候群の治療法
患者の約75%は親からの遺伝、約25%は遺伝子の突然変異により発症します。根本的は治療法は確立されていませんが、器官ごとに対症療法が異なり、時としてマルファン症候群によって発生しうる症状を防ぐこともあります。
マルファン症候群は人によって症状が異なることが特徴です。気になる症状があらわれた時には医師の診断を受け、症状に応じて生活することが必要です。激しい運動やぶつかり合う運動は避けて組織が傷つく危険をできるだけ回避しましょう。時期に応じて心臓弁の手術を受けることも有効です。
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