紅皮症とは
紅皮症は、体表のほとんどが赤くなった状態のことをいいます。しばしば皮膚が鱗のようにぼろぼろと剥げ落ちることがあるので剥脱性皮膚炎とも呼ばれることがあります。さまざまな皮膚病を原因として引き起こされるもので、代表的な疾患にはアトピー性皮膚炎や乾癬、天疱瘡などが挙げられます。そのほか、薬疹や悪性リンパ腫などが原因の場合もあります。
紅皮症の症状
紅皮症の症状は、身体の広範囲にわたって現れます。全身に見られることも少なくありません。皮膚にびまん性の紅い斑点が出るようになり、全身が紅潮します。やがて、ぼろぼろと鱗が落ちるように皮膚が剥げ落ちていきます。ほとんどの場合、かゆみも伴います。それ以外では、発熱や悪寒、体温調節障害、倦怠感、体重の減少、リンパ節の腫れといった症状を認めることもあります。なお、類似の症状を見せる病気としては、環状紅斑、多形紅斑、結節性紅斑、スティーブン素・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症、スウィート病などを挙げることができます。
紅皮症の原因
紅皮症の原因は多岐にわたり、多くの疾患に共通する症候であることがわかります。最も多いのはアトピー性皮膚炎の続発症として現れるケースで、それ以外の皮膚疾患も合わせると紅皮症全体の60%程度を占めます。一方で、原因が判然としないケースもあります。代表的な原因疾患は以下のとおりです。
・慢性湿疹
・汎発性湿疹
・接触皮膚炎
・アトピー性皮膚炎
・脂漏性皮膚炎
・自家感作性皮膚炎
・乾癬
・扁平苔癬
・毛孔性紅色粃糠疹
・慢性光線過敏性皮膚炎
・免疫異常
・代謝異常症
・細菌感染症
・ウイルス感染症
・寄生虫感染症
・中毒性疾患
・白血病
・悪性リンパ腫
・がん
紅皮症の治療法
紅皮症の治療は、原因疾患によって対策が異なってきます。症状が現れた場合は、まずは皮膚科を受診して元となっている病気を調べることが必要です。皮膚炎や湿疹を由来とする紅皮症の場合には、副腎皮質ステロイド薬や抗ヒスタミン薬を用いて治療することが一般的です。乾癬の場合には紫外線照射治療がとられることもあります。薬疹の場合には原因薬剤を中止することが先決です。悪性リンパ腫が原因の場合には、紫外線照射や電子線照射によって治療を行います。
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