素行症(行為障害)の症状

素行症(行為障害)は反復し持続する反社会的、攻撃的、反抗的な行動パターンなどが特徴です。また、年齢相応な行動を大きく逸脱している場合がこれに該当します。具体的には喧嘩や脅迫、動物などに対しての虐待などの暴力行為をはじめ、窃盗、放火、他人のものを破壊するなどの犯罪行為にまで及ぶこともあります。

非社会的人格障害へ発展する場合もあるとされ、年齢やそれに伴う成長、症例によって行動パターンがさまざまです。非社会的人格障害の診断基準に、「小児・思春期に行為障害が存在した場合、この診断の信憑性が高まる」と明記されている事から、成長に伴い発展する可能性がある障害ともいえます。

素行症(行為障害)の原因

素行症(行為障害)の明確な原因は不明ですが、脳内の神経伝達物質や自立神経の障害、親からの愛情不足や虐待、両親の不仲や離婚、友人知人による影響など、さまざまな要因があると考えられています。小児期に親から受けた愛情不足や虐待による症例も多く、思春期など多感な時期に起きたでき事により発症したなどの報告もあり、精神的負荷などが引き金になっているケースも多いようです。

また、自律神経障害により末梢神経系に影響を与え発症する場合や、神経伝達物質のモノアミン類の減少などにより、精神バランスを維持できずに反社会的行動などを起こす場合もあります。

素行症(行為障害)の治療法

原因を特定しづらく、要因も多数考えられます。また、行為障害を自覚する事も困難な為、有用な予防方法はありません。しかし、精神的負荷による発症に関しては予防が可能な場合もあります。

小児・青年期に受けた虐待や愛情不足による発症の場合、患者の周囲により受けた影響が原因です。「虐待をしない」「子に愛情を注ぐ」と言う社会的常識のある行動が予防になると考えられます。小児や青年期にある者をよく観察して、異変や問題行動を感じた際は、早急に専門医療機関での受診を行ってください。
抗精神病薬や気分安定薬、ADHDという病気の合併があればADHDのお薬を用いることもあります。