伝染性単核症の症状

伝染性単核/球症は、感染する年代によって症状も変わってきます。乳幼児の頃に感染すると、表立った症状が現れなかったり風邪症状となることも多く、結果的に抗体ができます。
年長児や、思春期以降に感染すると、症状が起こることが多くなります。潜伏期間は30~40日程度で、主な症状は、38度以上の発熱が1週間程度続き、咽頭痛、リンパ節の腫れ、口蓋扁桃の発赤などがみられます。
また、全身倦怠感や頭痛、悪寒、発汗、食欲不振などがみられることもあります。
乳幼児が発症する場合は、発熱や口蓋扁桃の腫れ程度で終わる場合が多く、ウイルスは同定されず、扁桃炎と診断されることもあります。

伝染性単核症の原因

伝染性単核球症は、唾液に生息するEBウイルスに感染することによっておこります。日本では、成人の約8割が抗体を持っているとされています。発症するのは、年長児以降で初感染した人が多いです。また、EBウイルス以外にもサイトメガロウイルス等の感染によって発症する場合もあります。
  
伝染性単核球症の診断は、血液検査で白血球が多いことと、肝機能の状態を確認します。また、EBウイルスの抗体検査を実施します。場合によっては、悪性リンパ腫や亜急性壊死性リンパ節炎等と鑑別する必要があり、リンパ節の生検や、血清診断を行う場合もあります。

伝染性単核症の治療法

伝染性単核球症には、特別な治療方法はありません。安静と休養、及び対症療法が主ですが、大概の場合は自然に治癒します。ただし、発熱が1週間以上続く場合や、全身状態が思わしくない等の場合は、合併症の危険なども考慮し、ステロイド剤の投与なども行われる場合があります。
   
また、ワクチンも開発されていますが、大概の人が抗体を持っているため、実用化には至っていません。感染力はあまり強くはなく、唾液を介する行為がなければ感染はしません。