ブドウ球菌食中毒の症状

ブドウ球菌食中毒の症状は、激しい嘔吐と下痢で、ブドウ球菌の毒素に汚染された食べ物を食べてから約3時間以内に、強い吐き気と嘔吐に襲われます。さらに、腹痛や下痢も現れ、ときには頭痛や発熱を起こすこともあります。また、水分と電解質を失い脱水状態になると、脱力感を抱き、重症の場合は血圧低下を起こします。
  
通常、食中毒の症状は24時間以内に治まり、1~3日ほどで完全に回復します。ただし、乳幼児や高齢者、病気などで衰弱している人の場合は、生死にかかわることもあり注意が必要です。

ブドウ球菌食中毒の原因

ブドウ球菌は食べ物の中で繁殖し、毒素を作り出します。ブドウ球菌食中毒は、食べ物と一緒にこの毒素を摂取することで起こり、ブドウ球菌そのものを摂取しただけでは発病しません。
  
毒素に汚染されやすい食品は、生野菜、おにぎり、サンドイッチや弁当、和菓子やケーキ、乳製品や肉・ハム、ちくわ・かまぼこなどの練り製品などです。ブドウ球菌自体は熱に弱いものの、生成された毒素は加熱しても無毒化されません。
  
ほとんどの場合、ブドウ球菌は調理者の手から食品にうつります。調理者の手指に傷や湿疹があったり、加熱が不十分だったり、食品が室温で放置されたりする場合は、食品を汚染するリスクが高くなります。

ブドウ球菌食中毒の治療法

ブドウ球菌食中毒を予防するには、調理の際に十分注意する必要があります。まず、手指に傷や湿疹、化膿がある人は、直接食品に触れたり調理をしたりしないことです。そして、調理者は手や指を十分に洗浄します。
  
まな板や包丁、ふきんなどの調理用具もよく洗い、熱湯や漂白剤などで殺菌します。さらに、食べ物は調理後すぐに食べるか、10℃以下で保存し常温で放置しないようにします。万が一、ブドウ球菌食中毒にかかった場合は、水分をしっかり補給することが重要です。症状によって点滴や入院などが必要になることがあります。