陰茎がんとは
陰茎がんは、国内の約10万人に0.2人と発生頻度の低い悪性腫瘍です。60代での発症が最も多くみられます。陰茎の皮膚や組織内に発症し、特に亀頭や包皮から始まります。発症の原因として不潔が挙がるため、近年日本の発症率は、他国と比較すると近年減少してきております。
陰茎がんの症状
陰茎がんは、ほとんどの場合痛みを伴いません。陰茎の皮膚から発生したがんは、進行に伴い、尿道や海綿体へと広がっていきます。その結果排尿が困難になります。初期段階では、カリフラワーに似た腫瘤形成やびらん、周囲が隆起した潰瘍が見られることが多いです。赤い発疹から深部へ浸潤していく場合もあるため、湿疹と間違えて外用薬を塗布し続ける人もいます。
がんが拡大していくと、潰瘍を形成したり、崩れてしまったがんから出血したりします。陰茎がんは、大腿の付け根にあるリンパ節である鼠径部に転移しやすいため、進行するにつれて、鼠径部のリンパ節が硬くなってきます。
陰茎がんの原因
陰茎がんの原因としては、包茎との関連性が高いとされています。包茎がんの人に包茎が多く、幼いときに包茎の手術を受ける習慣のある民族の発生率が低いためです。包茎になると、包茎内の恥垢によって慢性炎症の刺激を受けます。この刺激が発がんに関与しているとされています。しかし、最近の研究では、包茎との関連性よりも、ヒトパピローマウイルス感染との関連が注目されています。これは、子宮頸がんと同じで、性行為感染症の何らかの関与があることを示しています。さらに、喫煙者の発症リスクは、非喫煙者と比べて2.8~4.5倍にもなります。
陰茎がんの治療法
陰茎がんの予防には、石鹸と水が有効です。陰茎を毎日洗うことで発症を予防することができます。特に亀頭の周辺にある包皮を引っ張り、洗うのが有効です。性行為の際には、コンドームを着用し、真性包茎の場合は手術を受けるようにします。治療法には、手術と放射線療法、化学療法の3つがあります。手術の場合は、病変から約2cm離れて陰茎を切断して、尿の出口を新しく形成します。レーザー照射や放射線療法は、初期段階で効果的です。化学療法は、再発予防や、他の臓器に転移している場合に有効で、全身的な治療をする場合もあります。
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