指骨骨折の症状

指骨骨折の症状としては非開放性のものが多いのですが、骨折部周囲の皮膚、筋、腱、血管、靭帯については同時に損傷している場合があります。
まずは骨折の一般的な症状である腫脹が生じます。骨折による血腫と炎症による浮腫により、受傷部の腫脹が見られます。この腫脹は受傷1日後から3日後をピークとして増減していきます。また、骨折部には疼痛が見られます。安静時痛が少ない場合であっても、運動時痛は出現する場合が大半です。大部分の骨折では圧痛が受傷部に見られ、転位がなくとも、軸方向に対しての振動刺激や圧迫刺激によって疼痛が誘発されます。これを介達痛または軸圧痛と呼ばれます。他には機能障害や変形、異常可動性が生じることがあります。

指骨骨折の原因

指骨骨折の原因として直達外力によるもと、介達外力によるものに大別されます。
直達外力は骨そのものに、その骨の耐久性を超える負荷量がかかった際に骨組織が損傷するものです。具体的に言うと、手指を硬いもので強打したり、何かに挟まれ骨の耐久性を超えてしまうくらいの強い力で圧迫を受けたりする場合です。手指に対する衝撃はDIP関節、PIP関節、MP関節、CM関節さらに手関節など手指から手部にかけての複数の関節により分散・吸収されるので手指の運動が固定された状態での負荷を受けた時に、このような骨折を生じやすくなります。
また、スポーツをしていた場合に、手指への介達外力が集中的に強まり、また継続的なストレスに対して骨組織が耐え切れず骨折となる場合があります。

指骨骨折の治療法

指骨骨折の予防方法としては指先のみに過剰な負荷をかけない、という点に尽きます。
スポーツで飛んでいるボールを捕球する際には、手指だけではなく、手関節や肘関節、肩関節、さらには体幹や足の各関節の運動を意識する必要があります。これによって、捕球部にかかる衝撃をなるべく各関節に分散し負担させる事ができます。また、手部の筋力トレーニングによって、屈筋群と伸筋群のバランスを保ち、筋出力を高めることで骨幹部に直接かかる負担を最低限に抑えることができます。屈筋群と伸筋群のバランスが崩れていると、骨部に対して日常的にストレスが強まり、また骨折時には転位が生じやすくなります。

指骨骨折の治療として保存療法、手術療法の2つの治療法があります。
保存的療法は、安静と固定、消炎鎮痛剤の使用をして様子をみます。