アキレス腱炎/アキレス腱周囲炎の症状

かかとの付着部分から上部約2~3センチあたりに位置するアキレス腱は、諺に使用されるほど大切であると同時に、弱点にもなり得る部分です。アキレス腱炎とは文字どおりアキレス腱に炎症を起こすことで腫れ、熱、痛みが生じます。負荷の大きい運動を行った後や長い距離を歩いた場合など、急に動いた時や足首を酷使しすぎた時にも出やすい痛みです。
アキレス腱炎の症状として一番顕著なものは痛みで、炎症の度合いにより痛みの強さが変わってきます。アキレス腱周囲炎の場合には、足首を動かすことにより摩擦音が聞こえることもあります。適切な処置を怠ると重症化しやすく、ひどくなると両足が同時に炎症を起こし、歩くことや普段どおりの生活にも影響を及ぼしかねないため、注意が必要です。

アキレス腱炎/アキレス腱周囲炎の原因

スポーツ選手などにも頻繁に起こりやすいといえるアキレス腱炎の原因として最も多いとされているのは、加齢によるアキレス腱の変性によるものです。アキレス腱を酷使したことで起こるオーバーユース症候群のひとつであり、具体的には小さな部分断裂や治癒後の瘢痕化が原因とされています。
アキレス腱炎はスポーツ時においては誤ったトレーニングが起因する場合や、準備運動をせずに急に激しい運動をすることによっても起こり得ます。ごく稀に小学生の子どもでも偏平足や合わない靴を履いていることから発症する場合もあるようです。季節の変わり目や気温の低い時期にだけ発症する人もいます。

アキレス腱炎/アキレス腱周囲炎の治療法

アキレス腱は体全体の大きな運動エネルギーや体重を集中的に受けるため、どうしても負担がかかりやすくなります。アキレス腱炎を予防するには、何といってもスポーツをする前に行うストレッチが欠かせません。特に大切なのはふくらはぎのひらめ筋を伸ばすことや、足首をグルグル廻すなどの準備運動が効果的です。
また両足を揃えて膝を曲げないように前屈し、手を床につけるような姿勢をとることで脚の裏側全体を伸ばすことになり、負担が軽減されます。アキレス腱炎が起きないよう予防するにはスポーツの後のストレッチも有効性が高く、炎症を抑えるためのアイシングとともにスポーツトレーナーなど専門家の指導に従うこともひとつの手段です。