混合肌の症状

混合肌による症状としては、「脂っぽいべたつき」や「かさかさした乾燥状態」が、顔のさまざまな部位に混ぜこぜになって存在することが基本となりますが、どの部位がどのような肌質になるかは、人によってかなり違います。潜在的な意味で混合肌になりやすい人は、日本人に多いとされ、皮膚トラブルで悩む人は後を絶ちません。
多くの場合、夏に症状が現れる人が多いようですが、おでこにニキビが出来やすくなる人もいれば、頬や顎に出来やすくなる人もいます。頬などに出来る場合には、俗に「大人ニキビ」と呼ばれ、20代から30代になったときに急に気になりだす傾向が見られます。
そのような脂っぽいタイプの皮膚トラブルの場合、一見すると、皮膚表面が油分の膜(皮脂膜)で十分に潤っているように見えますが、その皮脂膜の下の組織が、十分な水分で満たされているとは限らず、かえってカラカラに乾いていることさえあるのです。したがって、過剰に“見える”表面の皮脂を、洗顔などで一生懸命洗い落とし過ぎるなら、乾燥がひどくなったり、逆に肌を守ろうとして過剰な皮脂がさらに分泌されるなど、肌質がなかなか安定しないという悪循環になりがちです。
夏に起きやすい症状に触れましたが、逆に冬などに見られやすい症状は、クリームなどで皮膚の油分を補っているつもりでも、目や口の周りの乾燥がおさまらず、ひどい場合には粉をふいたり口唇のひび割れが起きたりすることです。

混合肌の原因

混合肌は、生まれつきの体質によるところもあるとはいえ、精神的なストレスなども大きな要因となり得るようです。皮膚の健康状態は、精神状態からの多大な影響を受けることが、医学的に理解されています。また生活習慣やホルモンバランスの変化も、混合肌の一因となるようです。特に女性の場合、月経の周期に従い女性ホルモンの分泌量が変動しますから、皮膚の“うるおい”に大きな変化が起きてきます。それに加えて、使用している化粧品の種類や期待効果が、自分の肌質にあまり適合していない、という場合も見られ、そのことで肌の不調を自分で作り出してしまう女性もいるようです。一方、男性にも混合肌の悩みを抱える人はいますが、その場合には毎日の髭剃りなどの皮膚刺激(シェービングジェルなどとの相性を含む)も、一因となりやすいです。
そのような傾向を知っていることも大切ですが、男女に共通した代表的な皮膚刺激に「紫外線」が挙げられます。紫外線によってダメージを受けた肌は、表面を保護するため皮脂の分泌を増大させますから、しっかりしたUVケアを怠っているなら、顔の皮膚の中で特に紫外線を浴びやすい部位である鼻や額が、べたべたと脂っぽくなってくるのも必須というわけです。
また、紫外線によるダメージの他にも、冷暖房機器による刺激が原因となっている人もいますから、自分の場合に特に何が原因となっているのかを、よく見極めることが大切になるでしょう。

●30代でなりやすい混合肌
混合肌は特に30代がなりやすい時期とされています。20代では皮脂が最も多く、分泌されて皮脂量はどんどん増え、30代では水分量が減っていくので、肌の水分と油分のバランスが崩れやすくなります。混合肌は皮膚が乾燥して起きる症状なので、顔がテカテカしていても洗いすぎには注意が必要です。洗顔後は化粧水を十分に使用して水分を補いましょう。その後、水分の蒸発を防ぐため、保湿クリームなどを薄く延ばしていきます。

混合肌の予防/治療法

混合肌によるトラブルを防ぐために非常に重要なのは、もし状況が許すのであれば、可能な限り睡眠時間をとり、なおかつ過剰な精神的ストレスを避けるということです。また、栄養バランスの良い食事を心がけることも、ぜひ忘れないようにしたい点です。それらはすべて、体の調子を全体的に整える自律神経系の働きに大きく影響を与え、ホルモンバランスを整えてくれるからです。
基本的に混合肌とは、皮膚が乾燥する症状なのであり、それに加えて部分的に皮脂の過剰分泌を併発している状態であることを、まず理解しておきましょう。ですから、洗願によって皮脂を取り過ぎないようにしたり、化粧水で水分を十分に補うことについては、特に力を入れる必要があります。理想的には、化粧水を出来る限り浸透させた後、その水分の蒸発を防ぐために保湿クリームやオイルなどをほんのわずか薄く延ばすというケア方法をイメージできます。そのためには、機能性をよく考えて化粧水を選ぶことや、必要であれば、パックなどで水分の浸透量を増やすことも効果的でしょう。
全体的にはそのようなケアを基本としつつも、どうしても乾燥しやすい部位にだけクリームやオイルを塗り重ねて、必要な保護を加えましょう。


●基本的なスキンケア方法
混合肌の場合は、部位によって状態が異なります。しかし混合肌でもその原因は乾燥です。油分が多いのは、乾燥から肌を守るために皮脂を出したからです。油分の多い部分にも基本的な保湿ケアはしっかり行いましょう。その上で混合肌には臨機応変なスキンケアが有効となります。油分が多い部分には、余計な油分が酸化してニキビになることを防ぐために、ベタつきが気になればタオルやあぶら取り紙などで軽くおさえるようにしましょう。

●正しい朝の洗顔方法
混合肌のケアも、基本的には他の肌質の方と同じです。洗顔は毎日きちんと行います。ただし、必要な水分や油分を取り過ぎないように注意しましょう。皮脂を取り過ぎないタイプの洗顔料や、保湿成分の入っている洗顔料を用いることをおすすめします。朝など乾燥部分が気になるタイミングでは、洗顔料を使わずに洗ってもいいでしょう。泡立つタイプであればしっかりと泡立て、強くこすったりせずに優しく洗います。口元など乾燥している部分は、より丁寧に洗うように心がけます。洗顔後は清潔で柔らかいタオルで、ゴシゴシと強くせず優しく顔を拭きましょう。

●混合肌の人に合うクレンジングジェル
混合肌の人に合うクレンジングジェルは「オイルフリータイプ」のものです。ジェルタイプのクレンジングには、水性と油性があり、水性の中でもオイルが含まれているものと、オイルが含まれていないオイルフリータイプのものがあります。Tゾーンが脂っぽいからといって、オイルが入っているものを選ぶと、皮脂を落とし過ぎてしまいます。オイルフリータイプは皮脂を落とし過ぎず、乾燥している部分がつっぱることもありません。しかし、厚塗りメイクや、ウォータープルーフタイプのメイクアイテムを使用している場合は、しっかりとメイクを落とせないことがあるので気をつけましょう。

●混合肌の乳液の選び方
混合肌の場合も、化粧水で水分を補って保湿した後に、乳液で肌に軽く脂の膜を作って、水分を保つことは大切です。混合肌の場合、乳液を2種類用意して使い分けをすると、肌の調子がよくなるでしょう。脂が多いTゾーンには、ビタミンCやEの含まれている「さっぱりタイプ」の乳液をうっすらと塗りましょう。その以外の部分にはコラーゲン、セラミド、ヒアルロン酸などを含む「しっかり保湿できるタイプ」を塗り、かさつきを防ぐ必要があります。かさつく部分にはソフトに塗って、肌によけいな刺激を与えないようにすることが大切です。特に目の周りなどはかさつくとしわっぽくなりますので、やさしく肌に置くように塗るとよいです。