貧血の症状は、立ちくらみ、動悸、息切れ、顔色の悪さなどがあります。貧血で悩む女性は多く、女性は月経がその原因をかなり占めています。それでは男性が貧血の場合は、どのような原因があるのでしょうか。

今回は男性の貧血について、詳しい話を医師に聞いてきました!

貧血になる3つパターン

貧血で血が足りないという状態には、概ね3つのパターンがあります。

1. 血液体から失われている
2. 骨髄で血液が作られない
3. 赤血球が早く壊されてしまう

頻度からいって身体から血液が失われてしまうことによる場合が多いです。男性とは違い、女性には生理がありますので、毎月生理によって血液が失われますのでどうしても貧血になりやすい傾向があります。しかし男性には生理がありませんので、生理以外の原因で血液が身体から失われることが貧血の原因になります。

1. 失血による場合の貧血

生理以外で血液が身体から失われる原因は、食道・胃・十二指腸・小腸・大腸など、消化管からの出血が多くなります。

【失血の多い病気の例】
十二指腸潰瘍潰瘍性大腸炎
 (ストレスが原因になりやすい)
食道がん胃がん大腸がん
クローン病
など

こういった消化管からの出血が原因となっている場合、出血を止めるための積極的な治療が必要となります。消化管潰瘍が原因なら、内視鏡で止血したり、胃酸を抑える薬を使います。がんが原因なら手術、潰瘍性大腸炎などなら、特別な薬による治療です。その上で輸血や鉄剤の服用が必要となります。

徐々に起こる貧血の原因はがんから徐々に出血することによって起こることがあります。がんは徐々に進む貧血以外に目立った症状がないことがありますので、注意が必要です。

【予防方法】
消化管潰瘍ならピロリ菌の治療とストレスを避け、胃を荒らす痛み止めを漫然と続けないようにして下さい。食道がんに対しては禁煙と刺激物を避け、胃がんに対してはピロリ菌の治療が有効ですが、定期的な胃カメラや大腸内視鏡検査が大切です。

2. 骨髄で血液が作られない場合の貧血

骨髄で血液が作られない原因としては、白血病などの骨髄の病気が考えられます。白血病は男性の方が女性よりやや多いのですが、原因はあまりはっきりしていません。喫煙との関係が示唆されていますが、喫煙だけが白血病の原因ではありません。

3. 赤血球が早く壊されてしまう場合の貧血

赤血球が早く壊されてしまう原因としては、免疫の異常や身体の中に慢性の炎症がある可能性が考えられます。免疫の異常が原因の場合は、ステロイドホルモンなどの免疫を抑える薬による治療が必要です。

医師からのアドバイス

急激に貧血が進むと意識を失って倒れてしまうこともあります。その反対に徐々に貧血が進むと何となくだるくて元気が出ない程度のはっきりしない症状だけの場合がありますので、健康診断で血液検査をして、貧血を指摘されることもあります。

急激な貧血は貧血の症状がはっきりと表れますので、診断が遅れることはあまりありませんが、徐々に進む貧血では症状が曖昧ですので、診断が遅れることがあります。最近疲れやすい、元気がないなどの症状がある時は病院を受診して一度血液検査を受けた方が良いでしょう。

(監修:Doctors Me 医師)