Doctors Me内でも取り上げた心理療法、「マインドフルネス」をご存知でしょうか。
安定した精神を保ち、ストレスを回避できる術として近年知名度が上がっていますが、その注意点を知っておかないと逆に精神を悪化させる可能性もあります。

今回は「マインドフルネスを実践する前に知っておきたい注意点」について医師に解説をしていただきました。

マインドフルネスとはなんですか?

マインドフルネスとは、自分自身でおこなえる心理療法のことです。
自分の今この瞬間の状態を認識し、その状態をゆがめず素直に知覚し、自分の状態に対して湧き上がってくる感情や思考にできるだけとらわれないようにする、ということを目指すもので、瞑想の様式をとることが多いです。

マインドフルネスで起こりうる「離人症状障害」とは?

離人症性障害は次の項目で説明する解離性障害に含まれる概念で、長い間あるいは繰り返し、自分が自分の身体や心から遊離すているような感覚があり自分が自分の人生を生きているのではなく、どこか離れてみているような感覚が現れるものをいいます。

人口の約2%にも発症するといわれる比較的頻度の高い症状です。

マインドフルネスで自己の内面を見つめることで、却って自分自身とそれを見つめる自分の間に感覚的な隔たりが出来てしまうことが原因として考えられるかもしれません。

「解離性障害」があるかたは要注意!

解離性障害とは先に述べた離人症のほか、解離性健忘、解離性同一性障害など色々な症状を含む概念です。
原因としては強いストレスやトラウマがある場合が多いようです。


症状として以下のようなことがあげられます。

・日常経験する範囲を超えてうっかりしてしまったり、ぼーっとしてしまったりする。

・自分の生活や一定期間に起こった出来事などが全く思い出せなくなる。

・自分のしたことに関する記憶が一部すっぽりと抜け落ちて断片的にしか残っていない


マインドフルネスは精神的にも負担がかかる可能性があり、すでに解離症状があるかたにはおすすめできません。

他にも考えうる「マインドフルネス」の注意点

マインドフルネスは、自分の気持ちの動きなどを知覚し、それに対する感情や考えにできるだけとらわれないことを目指すものです。

自分の内面に目を向け、集中するという側面があるので、精神的に不安定な状態にあったり、精神的な病気を患っていらっしゃるかたには思わぬ負担がかかる可能性があり、病状を悪化させてしまう可能性もあると思います。

正しい「マインドフルネス」をおこなうために

どんな治療法でもそうですが、効果のある方法は必ず何らかの副作用や、合う・合わないといった問題があるものだと思います。

話題の方法としてぜひトライしてみたい、と思われる方もいらっしゃると思いますが、特に精神科・心療内科などで治療中の方は、必ず主治医に施行の可否を確認してからおこなうようにしましょうね。

(監修:Doctors Me 医師)