筋肉痛というと、激しい運動をした次の日に起こるものなのですが、時に運動も何もしていないのに筋肉痛になってしまうことがあります。

これはいったいなぜなのでしょうか?今回は、その原因をご紹介します。

何もしていないはずなのに…



普段私たちが筋肉痛になるときは、運動をしたり身体を動かしたりした際、筋肉の繊維が切れてしまうことによって、引き起こされます。
しかし時に激しい運動をしていないときでも同じような症状を感じる人がいます。

気づかないうちに筋肉を酷使したのかな?と勘違いすることもあるのですが、原因は運動ではなく、その他の理由により痛みを発している場合があるのです。

その筋肉痛の原因


我々の人体は、体のおおよそ半分ともいえる多くの筋肉を宿しています。
この筋肉を酷使することで筋肉痛が発生するのですが、そのメカニズムは、およそ次の通りと考えられています。

筋肉痛のメカニズム


筋肉は、自身がその繊維を損傷すると感じると、その繊維を修復しようとします。繊維を回復する過程で、その繊維周辺の体の組織から、

・ブラジキニン
・ヒスタミン
・セロトニン
・プロスタグランジン


という物質を生み出します。

これらの物質は、痛みの基となる物質であり、筋膜を刺激することにより、これらの物質が生産されるので、筋肉が痛まないと本来は筋肉痛というのは起こり得ないということが分かります。

原因1:知らないうちに筋肉にかかる負担



特別筋肉を酷使した覚えがなくても、気づかないうちに筋肉の繊維を損傷させてしまっていることがあります。

日常で筋肉繊維を損傷させる例


運動をしない場合であっても、次のような時に筋肉を損傷させてしまうことがあります。

・床ずれ
・長時間の正座
・太りすぎ
・椅子の座りすぎ


長時間一か所に体重をかけていたり、太りすぎにより下半身の筋肉を酷使してしまったりしたときに、筋肉痛になってしまうという人がいます。

つまり、運動をしなくても筋肉を傷つけてしまうと、筋肉痛が起きてしまうということです。

原因2:運動不足



筋肉に体重をかけてしまったり、長時間にわたり圧迫させたりすることで引き起こされる筋肉痛というのは、全員が発症するわけではありません。

ある人は筋肉痛になってしまうが、ある人は一切筋肉痛にならないというのは、ちゃんと理由があるのです。

身に覚えのない筋肉痛は運動不足かも


もしあなたが、身に覚えのない筋肉痛に陥ってしまい、尚且つ病気でないというのであれば、単純に運動不足という可能性が出てきます。

運動不足に陥ってしまうと、筋肉というのはどんどん衰えて細くなってしまいます。

筋肉が細くなるとちょっとした衝撃で筋肉が傷ついてしまうことがあります。そのため、通常の人では損傷しないような些細な圧迫でも筋肉痛になってしまうことがあるのです。

原因3:病気の症状としての筋肉痛



その他筋肉痛のような症状が起こる原因として、主に以下病気が考えられます。

膠原病(こうげんびょう)


体中の血管や皮膚等に炎症ができてしまう病気のことです。

原因がわからないことが多く、筋肉痛のほかにも発熱や発疹といった症状が起こることがあります。

リウマチ


広義の意味では膠原病の一種といわれています。

膠原病の中でも、関節に集中した痛みを発生させます。

関節の痛みが発生するときに、筋肉痛のような痛みを長時間にわたって発生させます。リウマチの原因は、自己免疫の異常でありますが、近年治療が劇的に進歩しています。

線維筋痛症


中年以上の女性に多い病気で、体にこわばりや、痛みを感じる病気です。痛みの種類としてはリウマチに近い症状だといえるでしょう。

検査で異常が出ないことが多く、原因不明の病気とされてしまうことが多いです。

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何もしていないのに筋肉痛…まず原因特定を

今回は運動していないのに発症する筋肉痛についてご紹介させていただきました。

心当たりのない筋肉痛に陥ったとき、まずは膠原病といった病気の疑いをしましょう。

それらの病気でない場合は、単純に運動不足である可能性が高いです。適度に運動をして、筋力の衰えを抑えましょう。

筋力が回復すれば、運動不足による何もしていない筋肉痛というのは、解消するはずです。ぜひ皆さんも一度試してみてくださいね。

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(監修:Doctors Me 医師)