小耳症とは
小耳症とは、生まれながらにして耳介に奇形があり、通常の耳介より小さい状態をいいます。 小耳症の発生率は、7000人〜12500人に1人という稀な疾患で、耳の穴がふさがっている外耳道閉鎖症を合併していることが多いです。ある程度成長した10歳前後に再建手術が行われることが多いです。
小耳症の症状
小耳症の症状は、耳介が小さいので見ればすぐにわかります。また、その程度によっていくつかのレベルに分かれています。第一度
全体的に健常の状態と似ているが全体的に健常側より小さいものです。
第二度
耳の形の一部が欠けているもの、上半分や耳たぶのところがかけていることがあります。
第三度
単に皮膚と軟骨だけが残っているもので、耳の形は存在しておらず、ほとんどがこの状態で、ピーナツ型と呼ばれています。
いずれの場合も、外耳が閉鎖していることが多く、外耳を通して空気の振動が伝わらないため、難聴を伴っています。
顔の骨が低形成のため、小耳症側の上下あご骨が小さくなっています。また、耳鳴りを伴うことが多いです。
そして、小耳症とは区別されて無耳症という症状があります。こちらは、耳介が存在しません。
小耳症の原因
小耳症の原因は、胎児の時にさかのぼります。妊娠初期は、胎児の器官形成の時期に当たり、妊娠三か月以内に、何らかの外的要因を受けると、器官形成がうまくいかず、発育不全となってしまい、小耳症などの先天性奇形が生じます。
胎児の器官形成のどの段階で奇形になってしまったかによって、耳介の形が決まってきます。
胎児の口から耳にかけては、第一鰓弓、第二鰓弓、と呼ばれる骨から形成されています。この骨の発育に不全があって奇形となります。
そのため小耳症を患っている方は、顔面の整形にも発育不全を伴っている場合が多く、特に小さい耳側の顎の骨は、上下共に小さくなっています。
遺伝性の原因も疑われていますが、関連する遺伝子が特定されていないため、未解明です。
小耳症の治療法
小耳症の予防策は特定できていません。小耳症は、胎児の器官形成時期である妊娠初期三か月以内に起こり、その主要な原因も特定できていないため、小耳症と特定しての予防は難しいとされています。ただ、胎児の器官形成期にはいくつかの注意点がありますので、予防策の一つとして気を付けることはできます。
妊娠4週から7週を、絶対過敏期といい、赤ちゃんにとって一番大切な時期となります。
この時期に催奇性の高い薬を飲むと、赤ちゃんに影響がある、と言われています。
ただし、市販薬などは、容量や用法を守って何日か服用した程度なら心配はありません。
そして妊娠8週以降の、二か月、三か月目も注意が必要です。この時期に器官形成が進みますから、薬の服用や、胃の検査などで使われるバリウムなど、胎児に影響のあるものは極力注意が必要です。
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