舌癒着症/舌小帯短縮症の症状

舌癒着症/舌小帯短縮症は、病気そのものが先天的なものであるため、赤ちゃんの授乳期などに症状が重く出ます。乳幼児は成人した私たちと違い、呼吸をしながらものを飲み込むことができます。そのため、舌がうまく動かせず、器官の入口を塞ぐため、授乳の時の呼吸が難しくなります。そうなると、授乳も浅くなりがちで、すぐにむせたり、よく吐いてしまうような症状が出ます。
また、鼻と咽頭をつなぐ器官が癒着した舌で塞がれてしまうので、自然と口呼吸が多くなりがちです。口呼吸が多くなると、寝ている時にイビキをかきやすくなったり、無呼吸になることもあります。
これらは乳幼児期の場合ですが、成人すると、滑舌が悪かったり、呼吸も浅くなりがちなので、疲れが取れにくいという症状が出てきます。

舌癒着症/舌小帯短縮症の原因

舌癒着症/舌小帯短縮症は、母体の中で体が形成される時、いわゆる胎生期の成長過程が異常であり、口腔内の舌と粘膜が分離不全であることが原因で起きる、先天的な病気であるとされます。さらに、生まれてからの舌の成長過程に問題があるからと考えられています。また、舌から唇の外傷や手術によって癒着を起こす、後天的なものもあります。
舌癒着症/舌小帯短縮症が先天的に起こる場合、それは親からの遺伝に起因するものなのか、はっきりとしたことは未だ解明されていないままです。
ただ、この舌癒着症/舌小帯短縮症は、乳幼児の突然死の原因としてあげられることもあるため、授乳がうまくいかないなどの症状が強く出た場合には、早期に医療機関で対処することが非常に大切です。

舌癒着症/舌小帯短縮症の治療法

舌癒着症/舌小帯短縮症は、先天的な成長過程で起こる病気であるため、病気そのものの予防方法はないというのが現状です。
予防はできませんが、乳幼児期などに気づいて、その症状が重い場合、手術療法をとることで改善されます。
また、手術をすることで、舌癒着症/舌小帯短縮症の主な障害である呼吸異常や、低酸素血症を回避でき、結果として乳幼児突然死症候群の阻止につながると報告されています。
ただ、現在では乳幼児期に手術を施すことは患者当人の負担になるという理由から、賛否両論しているようです。万が一、我が子がこの病状を引き起こした場合、医師と正しい判断をとることが重要のようです。