脱肛とは
脱肛とは、内痔核が肛門外に出ている状態を指します。 便秘や排便時のいきみ、座った状態での長時間作業、出産、加齢などで、内痔核が悪化すると脱肛につながります。重症度によって、薬物療法や手術が行われます。
脱肛の症状
初期の段階では、排便時などにいきむことで、肛門から内痔核が一時的に飛び出します。放っておいても自然に元に戻ります。症状が悪化していくと、排便時のみならず、くしゃみなど、日常生活の中でお腹に力が入るたびに脱肛するようになります。そのため、スポーツや長時間の立ち仕事など、日常生活に支障をきたすようになります。手で押さえたり、指で押し込んだりしないと戻らなくなっていきます。
常時脱肛するようになると、かゆみや痛み、肛門のべたつきを感じます。下着に粘液がついてしまい、汚れることもあります。
脱肛の原因
脱肛は、内痔核が進行した状態です。そのため、以下のような肛門への負担は、脱肛の原因になります。・長時間座る(ドライバーやデスクワーカー)
・排便時に強くいきむ
・スポーツなどでお腹に力を入れる
・アルコールや辛いものなど刺激物の過剰摂取
・体の冷え など
このように肛門に負担がかかると、毛細血管などが集中している組織がうっ血し、血行障害が起こります。その部分が内痔核となって大きくなっていくと、周りの組織が支えきれず、肛門の外に飛び出してしまうのです。
また、年齢とともに肛門括約筋は緩んでくるため、加齢も症状の悪化に関係しています。
脱肛の治療
脱肛の状態を確認し、それぞれの状態に合った治療法を選択していきます。脱肛が排便後などに自然に戻る程度の脱肛の場合は、生活改善をしつつ、軟膏や坐薬、注射療法などをして経過をみます。症状が重くなり、常に脱肛している場合は、根本的な治療として手術が検討されます。
日常生活に何かしら支障が出ている場合は、肛門外科や消化器外科などを受診し、相談しましょう。
脱肛の予防
脱肛の予防は、肛門への負担を減らし、肛門の血行をよくすることが大切です。以下のことに気をつけて生活してみましょう。・長時間トイレでいきまない(便がある程度出たら、時間を区切って次回に持ち越す)
・過敏性腸症候群などで頻繁に排便がある場合は受診する
・便秘で便が硬くならないよう野菜中心の食事にする
・お尻を冷やさない
・お風呂に入る習慣をつける など
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