レックリングハウゼン病とは
レックリングハウゼン病は現在は神経線維腫症1型(NF-1)と呼ばれています。 神経線維腫症は、皮膚や神経などにさまざまな異常を生じる比較的頻度の高い常染色体優性遺伝性の病気です。神経線維腫症1型は神経線維腫という腫瘍やカフェオレ斑など、皮膚症状に特徴があります。
レックリングハウゼン病の症状
神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)の特徴的な症状として、カフェオレ斑と神経線維腫があります。出生直後から乳幼児期にかけてはカフェオレ色から茶褐色の色素斑が見られます。鶏卵大のカフェオレ斑が6個以上見られたら、この病気を疑います。児童期から思春期前後にかけて、体に大小さまざまの軟らかな皮下腫瘤(神経線維腫)が現れます。皮膚の神経線維腫は年齢とともに増えていきます。
神経線維腫は皮膚に限らず骨や神経にも出現するため、脊柱や四肢骨の変形や麻痺や痛み等の神経症状、眼の病変などが生じることもあります。まれに悪性化して、悪性神経鞘腫を合併することもあります。
レックリングハウゼン病の原因
神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)は、17番目の染色体にある遺伝子の変異が原因であることがわかっています。ニューロフィブロミンと呼ばれるたんぱく質をつくるNF1という遺伝子です。ニューロフィブロミンは、細胞の増殖を抑制するはたらきがあるとされ、遺伝子の異変により細胞の増殖シグナルが抑制されなくなることによって、神経線維腫などの症状が起こるとされています。神経線維腫症1型は常染色体優性遺伝性の病気です。両親のどちらかが神経線維腫症I型の場合、子どもに遺伝する確率は2分の1です。また、突然変異によって発症することも少なくなく、患者の約半数は突然変異により発症しています。
レックリングハウゼン病の治療法
神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)は、遺伝性または突然変異による病気なので、予防方法はありません。治療方法も確立されていないため、難病に指定されています。根本的な治療法はありませんが、神経線維腫が原因となるさまざまな症状に対する治療は可能です。皮膚の神経線維腫や色素斑は皮膚科・形成外科、子どもの発達に心配がある症状は小児科、神経病変が強い場合は、脳神経外科や神経内科など、それぞれの専門医のもとで、経過観察が大切になります。
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