頭血腫とは
頭血腫とは、分娩時に赤ちゃんが産道を通る際、外からの力が加わることで、頭蓋骨を覆っている骨膜の一部が剥がれたり血管が破綻してできる血腫のことです。通常分娩でも頭血腫ができることはありますが、吸引分娩や鉗子分娩の際にできることが多いと言われています。
頭血腫の症状
頭血腫は、出生後段々と腫れて2から3日程度で目立つようになります。血腫は触ると波動性があります。血腫はできるものの、貧血を起こしたりなど、身体に悪影響を及ぼすほど大量出血することは無いとされています。血腫は自然と吸収されることで治まりますが、その後、黄疸の症状が強くでることがあります。また、遷延性黄疸といって、生後2週間以上経っても黄疸が見られる原因にもなります。非常に稀な例として、亀裂状の骨折と言って、頭蓋骨にヒビが入ることもあります。
頭血腫の原因
頭血腫は、分娩時に産道を通る赤ちゃんに外部からの力が加わり、圧迫されることにより起こります。圧迫される原因としては、お母さんの骨盤の形、赤ちゃんの頭の形、分娩方法などが影響していると考えられます。頭血腫が起こりやすい分娩方法として、赤ちゃんの頭に丸いカップを当ててカップの空気を抜くことで吸引する、吸引分娩や、赤ちゃんの頭部を挟んで引っ張る鉗子分娩をが挙げられます。しかし、これらの分娩方法を行わず、通常通りの分娩や帝王切開でも頭血腫が起こることもあります
頭血腫の治療法
頭血腫の治療は、基本的には行われません。治療をしなくても、数カ月程度で自然に吸収されることがほとんどだからです。赤ちゃんによっては、こぶのようになった物が2歳、3歳まで残る場合もありますが、髪の毛が生えてくるので目立たなくなります。このこぶは、血液が吸収された部分が骨になったもですが、長くても数年程度で自然と吸収されてなくなるので、心配する必要はありません。針を刺して血腫を吸引するなどの外科的な処置は、禁忌とされています。これは、感染症や再出血の危険性があるためです。
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