アニサキス症とは
アニサキス症は、回虫の仲間であるアニサキスが感染することで引き起こされる幼虫移行症のひとつです。アニサキスはイカやサバ、イワシ、アジなどの魚介類に寄生しており、人間がこれらを生食すると一緒に体内に潜り込んできて胃や腸に症状を起こすことになります。頻度の高い冬季の食中毒の一種とも捉えられます。
アニサキス症の症状
アニサキス症の特徴的な症状は、強烈な腹痛と吐き気です。侵入した場所によって胃アニサキス症と腸アニサキス症に分類することができますが、胃アニサキス症が食後数時間程度で発症するのに対し、腸アニサキス症の場合には1週間程度経過してから腹痛が現れることもあります。人によってはじんま疹や発疹といったアレルギー症状を伴うケースもあります。サバに寄生していたアニサキスが原因の場合にはサバアレルギーと勘違いされやすいため、慎重な対応が必要です。症状の強さから、劇症型と軽症型に分けることもできます。
アニサキス症の原因
一般的によく見られるアニサキス症は軽症型で、こちらは体内に侵入したアニサキスが暴れ回ることで症状が起きるものです。この場合はアニサキスを駆除してしまえば、嘘のように症状は引きます。ただし、暴れすぎて胃や腸の壁を突き破ってしまう可能性もあり、こうなると劇症型のような激痛に見舞われます。劇症型の原因は体内にできたアニサキス抗原による発作です。消化管が痙攣したり収縮したりするため、激しい痛みが出ます。こちらの場合はアニサキスを取り除いても、症状はすぐには治まりません。
アニサキス症の治療法
アニサキス症の予防は、魚介類を生食しないことに尽きます。体内に侵入したのが幼虫1匹だけであっても発症の可能性はありますので、完全に予防するために必要な事は、加熱調理する事や、一度冷凍したものを調理する事です。また、アニサキスは冷凍処理でもほとんど死滅するため、一度冷凍したものを解凍して生で食べる分にはほとんど問題ありません。ただし、劇症型の場合はアニサキス抗原が原因ですので、加熱処理や冷凍処理をしたアニサキスの死体でも発作の可能性があります。
治療は胃にアニサキスがいる場合は内視鏡により摘出することで、痛みが消えます。
アニサキスは人体中では1週間程度で死んでしまうので、虫を摘出できなくても対症療法だけで治ります。
対症療法として、鎮痛薬や脱水予防のための補液(点滴療法)などです。
虫が腸管から外に出て症状を起こしている場合は、メベンダゾール)を内服します。
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「アニサキス症」に関する体験談一覧
- 妻の顔を見るたびに 潜伏期間の短いアニサキス症を思い出す
- 海釣りで、50cmほどのタイ1匹、20cmほどのサバ1匹、アオリイカ2杯の釣果を達成し喜び勇んで帰宅しました。 妻も大喜びしてくれ、タイはグリルで焼き、サバは妻の大好きなしめサバ、イカは刺身に調理して、夕食は楽しいものとなりました。 しかし、夜中11時頃、夫婦揃って腹部の激痛と吐き気・嘔吐の症状が現れました。 来てもらった救急車の隊員に食事のことを伝えると、病院搬送後すぐに検査され、アニサキ...